Mathのカリキュラムづくりへの足跡
今、私は「探究を探究する」ために国際バカロレア認定校で働いています。
私は、初等プログラム(PYP)での小学4年生の担任と中等部(MYP)の数学の担当をしております。初等部の探究カリキュラムのレポートはこちらのブログにまとめてあります。
PYPでは、教科横断的なモデルで学んでいた学習から、MYPでは教科学習と学際的な学習に焦点を置いたモデルへの学習に移行していきます。
2023年度は、MYPのカリキュラムの作り方に沿ってMathのカリキュラムを設計したカリキュラムに沿って実践していく1年目の年です。生徒と一緒に学びを作り上げていくという観点では、今は子どもたちと一緒に意味のあるMathのカリキュラムを作り始めたばかりです。これから子どもたちと一緒にDPの学びへと繋がる足跡をここに残していけたらと思います
このブログでは、MYPの数学で子どもたちがどのように数学を探究しているのかをまとめていきたいと思います。
MYPにおける数学の考え方(一部抜粋)*参考リンク
数学の学習は、公式や計算方法の習得に終始すべきものではありません。生徒 は、数学の解答はすべて教科書の中に見つけることができると考えるのではなく、自分が概念や関係性の探究に積極的に関与することができると考えなくてはなりません。そして、そのように考えれば、数学は探究の醍醐味と発見の喜びに満ちた科目になるでしょう。
また、新たに得られた知識は他の状況にも応用することができ、さらなる探究や発見の機会を生徒に与えることになるでしょう。MYPの数学では、探究と応用を促すことにより、生徒たちが学校以外の実生活で役立つ、学問分野の枠を超えた問題解決手法を身につけることができるよう指導を行います。
私が数学教師として、MYPのカリキュラムコーディネーターからお願いされたことは「世の中を数学的に見ることができる人を育成すること」です。
参考になる動画(絵本)はこちらです。
「〇」を見て、まる、円、安定、平和、調和、完全、母性、やさしさ、のような概念で理解することは一般的だと思います。そこを、π、3.14、2πr、πr^2、のような概念で理解する=そのように見える・解釈する生徒を育ててほしい。そのような言葉を頂き、私の数学教師としての道のりがスタートしました。
そこで、私はオックスフォード大学が作成している国際バカロレアMYPのカリキュラムを完全にカバーしているテキストを参考にしながら授業をスタートすることにしました。
国際バカロレアのMYPの数学のカリキュラムの枠組みには、数学の4つの学習分野についてその概略が定められています。
• 数
• 代数
• 幾何と三角法
• 統計と確率
▼ 数を学習する意味
数を扱う能力は、数学において最も重要なスキルです。生徒には、数の概念を理解する
とともに、計算および概算のスキルを身につけることが求められます。生徒は、また、数を用いてパターンを表現したり、実生活の状況を描写したりする行為の起源は人類が最初に出現した時期にまでさかのぼるという事実や、数学が多文化的な起源をもつという事実を理解する必要があります。
▼ 代数を学習する意味
代数は、数を扱う際に最初に用いられる概念の抽象化であり、より高度な数学を学習する上で必要不可欠なものです。代数では、文字と記号を用いて数や量、演算が表現され、数学の問題を解くために変数が用いられます。
▼ 幾何と三角法を学習する意味
生徒は、幾何および三角法を学習することにより、空間認識能力を高めることができるだけでなく、2次元および3次元の幾何学量を分析、測定、および変換するための手段を習得することができます。
▼ 統計と確率を学習する意味
数学に含まれるこの学習分野では、量的なデータの収集、分析、および解釈を行い、確率の理論に基づいて、パラメーターの推定、経験的な法則の発見、仮説の検証、事象発生の予測を行います。生徒は統計学の学習を通して、データの収集、整理、および分析に関するスキルを開発することになります。これにより、生徒は、情報を明確な形で提示したり、規則性を発見したりすることができるようになります。また、批判的思考のスキルを身につけることにより、理論上起こり得ること(確率)と実際に観測されること(統計)とを区別できるようになります。
さらに、生徒は、統計学のもつ力と限界の両方を理解する必要があります。そうすることにより、仮説を立証する場合や仮説に対して疑問を提起する場合に統計学をどのように使うのが適切であるか、また、誤解の誘導、あるいは意見やプロパガンダに対する反論に統計がどのように利用されうるかを認識できるようになります。
イントロダクション
まずは、以下の2つの目的でイントロダクションを行いました。
① 診断的評価...数学的な知識・技能/見方考え方がどの程度育まれているのか?
② 世の中を数学的に見るマインドセット...数学を公式的に学習するのではなく、数学を自分で探究していくためのマインドセット
ここからは具体的に行ったことを紹介していきます。
◎ Mathの年間カリキュラム
Unit1:数学史を探究
グローバルな文脈 ▶︎ 文明と人間の相互作用
探究のメッセージ ▶︎ 文明が進化し、人間が相互作用するにつれて、さまざまなシステムと表現の形式が発達します
G6
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・G7-9
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Unit2 社会の不平等や格差を探究
グローバルな文脈 ▶︎ 不平等と格差
探究のメッセージ ▶︎ 不平等や格差は、等価形式の量を使用することでより明確になります。
G6
・ボードゲームで数学 ▶︎リンク
・不平等や格差を数字で紐解くPart1 ▶︎リンク
・不平等や格差を数字で紐解くPart2 ▶︎リンク
・数学で金融リテラシーを育む ▶︎リンクG7-9
・数学でビジネスプランを考える▶︎リンク
・不平等や格差を数字で紐解く ▶︎リンク
・数学で金融リテラシーを育む ▶︎リンク
Unit3 多角的な測定が芸術性や創造性を生み出す