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Unit4 Week6-7 歴史上の出来事は現代に与える影響

Unit4歴史上の出来事や人物が今の暮らしに影響している

いよいよ、形成的評価課題を経て総括的評価課題に入っていきます。総括的評価課題では、形成的評価課題でリサーチした戦国時代の重要な出来事(楽市楽座の政策、鉄砲の戦いへの導入、関市の刀の保護と戦への導入)に加えて、私たちの住んでいる岐阜市の歴史の出来事と今の私たちの暮らしへの影響について9つのテーマを加えて探究をしていきます。

総括評価課題でフォーカスするATLはリサーチスキルに加えて、自己管理スキル(管理調整スキル)にフォーカスして行っていきます。

背景としては、1学期からこれまでは協同的な学びとプロジェクト型の学びにフォーカスをして行ってきたのですが、個人の力を伸ばすということが課題として浮かび上がってきました。そこで、デューイの理論と実践を苫野一徳さんが理論化した「学びの個別化・協同化・プロジェクト化の融合」の中でも、今回は学びの個別化にフォーカスして、子ども一人一人の能力を最大限に引き出せる伴走者を目指していきます。

▼ 総括課題で目指す概念的理解

今回取り上げる歴史的な事実は以下の12個になります。そして、この12個を繋ぐ重要なトピックは「今の暮らしへの影響」になります。ここから子どもたちは、今回のATLでフォーカスする自己管理スキルに働きかけながら2週間かけて総括的評価課題に取り組んでいきます。手法としては「ガイドされた探究」のメソッドを取り入れており、教員の役割としては、子ども一人一人の能力を最大限に引き出せるように伴走を行っていきます。

▼ 総括課題の12の歴史的な重要な出来事(事実)

次回、ATLにフォーカスするアクティビティとして、時間とタスクをどのようにして効果的に管理していくのかを考え、計画するところからスタートしていきます。

▼ 今回フォーカスするATLのルーブリック

来年度PYPの集大成であるエキシビジョンに向けて、今回フォーカスる時間とタスクを効果的に管理する自己管理スキルはとても重要になります。今回大人の役割として大切にしてきたのは、大人が上手くいくように全てを伴奏するのではなく、子どもたちが自分自身の自己管理スキルの課題に気づき、来年度に向けて自己管理スキルを磨いていく課題に気付くことでした。

今回は、自分の課題の進捗具合を確認するために以下のシートを活用していきました。

また、ルーブリックのLev.3にチャレンジする人は、時間とタスクを効果的に管理するための一歩として自分自身が課題にどれくらいの時間がかかるのかを知るためのシートを活用する子もいました。

課題を進める中で、計画的に課題を進めることができる子、直前までどのようにまとめるのかを考え直前までまとめるタスクに進ことができなかった子、前日まで課題を仕上げるのに追われていた子、一人一人課題への取り組み方は違いましたが、期限内に大人の力も借りながら、最後は自分の力でやり切ることができました。

プレゼンテーション

そしていよいよ向かえたプレゼンテーション。

子どもたちは3分間の中で、上記の内容でプレゼンを行いました。

▼ 内容
リサーチした歴史上の出来事が現代に与えている影響を伝えることができている。
▼ スキル
事実と解釈を分けて伝えることができる。
▼ 聞き手の視点
歴史上の出来事が現代に与える影響について考えながら聞くことができる。

こちらが子どもたちの制作した新聞になります!

鵜飼&関市の刀新聞

鵜飼についてリサーチした児童は、実際に鵜飼ミュージアムに行って、情報を収集し、事実と解釈に分けてまとめることができました。鵜飼の特徴、鵜飼が1300年以上守られてきた歴史的な背景、鵜飼と自然との繋がり等についてまとめることができました。

関市の刀についてリサーチした児童は、実際に関市に行ってインタビュー調査をするだけでなく、刀と鉄砲の繋がりをリサーチするために滋賀県にある鉄砲ミュージアムに行って、刀と鉄砲の繋がりについての調査したこと、更に鉄砲と花火師の繋がりについてもまとめることができました。

美濃和紙&弁当新聞

弁当文化についてリサーチした児童は、戦国時代の歴史のリサーチをする中で、ふと「そういえばお弁当っていつからあるんだろう?戦いの時にお弁当って使われていたんじゃないかな?」という疑問が浮かび上がり、調べてみると織田信長とお弁当文化の始まりに繋がりがあることが分かり、お弁当文化の歴史についてのリサーチが始まりました。子どもの第六感というものを感じました。

美濃和紙についてリサーチした児童は、実際に美濃和紙をつくりに行き、美濃和紙の歴史と価値、地理的な影響との繋がりについてまとめることができました。更に、美濃和紙の価値だけでなく、なぜ衰退していったのかを他の産業の影響から考察を得ることができました。

貨幣&美濃焼新聞

美濃焼についてリサーチした児童は、美濃焼の歴史、価値、更に現代への影響として、国内の陶器のシェア率が美濃焼が60%以上もあることを根拠に説明することができました。更に、歴史的な事実を元に、美濃焼の名前の由来や現代至るまでの変化について自分の考察を交えながら説明することができました。

貨幣についてリサーチした児童は、実はユニット1の政治のユニットからお金の歴史について興味を持っており、ユニットを超えて歴史のユニットでリサーチをすることができました。リサーチの中で徳川家康が作った貨幣制度の仕組みと現代の貨幣制度の仕組みの共通点から、徳川家康が作った貨幣制度の現代への影響について説明することができました。

岐阜和傘&キリスト教新聞

岐阜和傘についてリサーチした児童は、岐阜和傘の歴史や、他の産業との繋がりとして、岐阜和傘は質の良い美濃和紙の産業に支えられており、美濃和紙がなかったら岐阜和傘もなかったのではないかと自分なりの考察についてもまとめることができていました。

キリスト教をリサーチした児童は、複数の歴史的な事実を組み合わせて考察することができていました。キリスト教が日本に入ってきた歴史に始まり、同じ戦国武将でもキリスト教を受け入れた織田信長と、キリスト教を禁じた徳川家康には、どんな意図の違いがあるのかに疑問を持ち自分なりの考察をまとめることができました。

関所&岐阜提灯新聞

岐阜提灯についてリサーチした児童は、岐阜提灯の他の産業との繋がりについてまとめることができました。具体的には、岐阜提灯の材料である竹と美濃和紙という品質の良い産業が岐阜市にはあったことを理由に説明することができました。
関所についてリサーチした児童は、関所の役割と、ユニット2で学習した税金の役割をつなげて考えることができました。ユニット2では、税金がない世の中になると、通行税など道路を渡るのにもお金が必要になることを学び、信長が関所を廃止したことが今の私たちが自由に道を行き来できることに繋がると考察することができました。

地理的な影響と現代への影響

子どもたちは、プレゼンテーションを聞きながら、1つ1つの歴史的な出来事が私たちの暮らしにどのような影響を与えているのかを考えながら、地図にまとめていく活動を行いました。

12人で12個の歴史的な出来事をリサーチすることで、産業と地理的な繋がりが見えてきたり、1つの産業が他の産業と時代を超えて超えて繋がっていることに気付いたり、更に歴史的な出来事が現代への暮らしに影響を与えていることに気づく時間になりました。

リフレクション

Unit4のリフレクションをライティングで行いました。

このユニットを通して子どもたちに掴んで欲しかった概念的な理解である、歴史上の出来事や人物が今の暮らしに影響していることを一人一人が自分の言葉でまとめることができました。これからも、子どもたちが何か歴史を学ぶ時に、今の暮らしとの影響に着目しながら学びを深めたり、また、歴史は今の暮らしに影響を与えていることがわかれば、今の私たちの暮らしが未来に与える影響についても考えられることで、自分たちの選択や行動について考えられる人になっていくのではないかなと思いました。

子どもたちの探究はまだまだ続いていきます!