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Unit3 WEEK2-3 水の行方を辿り「水の循環」を知る

Unit3 水の利用と管理は、地域の開発と持続可能性に影響を与える

探究①で水の重要性について学んできた子どもたち。探究①では、私たちは暮らしの中でどのような時に、どれくらいの量の水を使っているのかを探究してきました。では、私たちが使っている水はどこから来て、使った水はどこに流れていくのか?今日から水の行方と循環を学ぶ旅が始まります。

まずは、事前に家の中や家の周りを歩きながらで、自分たちが使用している水がどこから来てどこに流れていくのかを見つけて、写真をとってきてもらいました。

アクティビティ①

まずは、水の循環について、子どもたちがどのような知識や理解を持っているのかを知るために、水がどのような流れで自分たちの元に届いて、使った水はどこにいくのかをこれまでの生活経験を踏まえながら繋がりを考えてもらいました。

このグループは、ユニット2で学んだ「気象現象」について学んだことと水の循環を繋げて考えていました。

このチームは、水が海から流れてきているのか、海に流れていくのかを考えるところから考え始めていました。写真を矢印でつなぎながら、水がどのように流れていくのかを考えていました。

まずは、事前に家の中や家の周りを歩きながらで、自分たちが使用している水がどこから来てどこに流れていくのかを見つけて、写真をとってきてもらいました。

アクティビティ②

「私たちが使った水はどこに流れていくのか」という問いに対して「海や川に流れていくと思う。」「知らない世界に流れていくと思う。」「海や川に流れるとは思うけど、使った水は直接は川や海に流れてはいないと思う。」そんな疑問が湧いてきていました。

そして、今日はフィールドトリップで私たちが使った水の行方を求めて下水処理場に行きました。子どもたちには、場所の名前は直前まで伝えず、水の行方を探しにいくよ。と伝えて、実際の現場を見に行きました。

現場についても、ここがどこなのかを知らない子どもたち。フィールドトリップでは、子どもたちに五感で感じて欲しい思いがあります。実際に現場について、子どもたちの五感が動き始めます。まずは、嗅覚が反応して「何か臭い匂いがする。」「ここは汚れた水が流れてきているのか?」そんな会話が飛び交っています。

最初は職員さんから「この場所がどのような場所なのか」についての説明が行われました。

「私たちが使った水が、道路の下にある下水管を通って、下水処理場に辿りつき、ここで水を綺麗にして川に流している」話を聞いて、子どもたちは一斉にメモを取り出していました。子どもたちの中でブラックボックスになっていた「私たちが使った水がどこかに消えている」疑問が、下水道の仕組みを実際に現場で働いている人の話を聞いて知ることで、子どもたちの印象に残ったのではないでしょうか?

そして、下水道の歴史と下水処理場の仕組みついての話を聞いて実際の施設を案内してもらいました。いざ、ヘルメットを被って出発しました。

まずは、私たちが使っている水が下水処理場に流れてきて、最初沈殿池の上を歩きました。コンクリートで囲まれていますが、この下では、大きなゴミや砂を沈ませて取り除いています。

① 最初沈殿池

そのまま、下水処理場の中を歩いていきます。

最初沈殿池の後は、反応タンクに流れてきて、微生物と空気を混ぜて微生物に小さな汚れを食べてもらい水を綺麗にしていきます。ここでは実際の流入水、反応槽、最終沈殿池の水の違いを見せてもらいました。

② 反応タンク

子どもたちが「微生物を実際に見てみたい」と声が上がっているときに職員さんが実際の微生物を顕微鏡で見せてくれました。

最後は、微生物によって綺麗になった水を見せてもらいました。子どもたちは「この水は飲めますか?」という質問が出るくらい、綺麗になっている水を見ることができました。この微生物の役割は、実際の自然界と同じ仕組みになっているようでした。

③ 最終沈殿水

今回のフィールドトリップでは、子どもたちの中でブラックボックスになっていた、使用した水の行方がどうなっているのかを知ることができ、下水道がない世界を想像すると、下水道が私たちの暮らしに与えている影響について肌で感じる時間になったのではないでしょうか?

明日は、今回入ってきた知識を付け足していきます。子どもたちの探究は続いていきます。

アクティビティ③

本日のアクティビティでは、子どもたちが水がどこからきて、どこに流れていくのかについて考えたことをお互いに深めていく時間を行いました。

ここでは「Making Thinking Visible(子どもの思考が見える21のルーチン)」のルーチン③をアレンジして取り入れました。

▼ ルーチン③思いつくこと・わからないこと・調べること(Think-Puzzle-Explore)

主題やトピックを提示し、それについて検討させる。
・そのトピックについて、何を知っていると思うか?
・そのトピックについて、何がわからないか?
・そのトピックについてどうやって調べたらよいと思うか?

3人グループの1人がグループで考えたことを説明を担当し、2人が出張を担当し、他のチームの説明を聞いて、疑問(Puzzle)に思ったこと/分からないことを付箋に書いて疑問に思った場所に貼っていきました。

子どもたちは、自分たちが水の循環について知っていることを思い出し、好奇心を引き出すことを目的としており、子どもが「水の循環」について何を理解し、何を理解していないのかを知ることができます。

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このチームは、私たちが普段使っている水は給水ポンプからスタートしています。そして給水ポンプから、井戸水と家庭用水に運ばれ、使った水は汚水管を通って下水処理場に運ばれ、川に流れ、最終的に海に流れることを示してあります。子どもたちの中で、家庭で使った水が、側溝を直接流れているのか、そもそも給水の水はどこから来るのか、そのような疑問を投げかけていました。下水処理の仕組みは理解していますが、上水処理について知らないことがこのチームの循環から読み取れます。

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このチームは、海から水を汲み上げていることが特徴的です。私たちが使っている水の出発点はどこなのかを考えた時に、水がたくさんある海を想像するのは自然なことだと思います。私たちが使っている水はどこからきているのか、これから探究が始まります。実際に世界には、海水を淡水に変える企業もあるので、後半の探究である「水の利用と使用に対する地理的な影響」に繋がっていく種が見えます。

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このチームは、水がどこからくるのかで、雲ができて雨が降るところからスタートしています。この内容は、ユニット2で学習した内容になるので、前のユニットの内容が理解できているのが分かります。その後、雨水が用水路に流れ、私たちの使っている水道に到達しています。この間に、水を綺麗にする過程が抜けているのが分かります。また、使った水は、下水処理場を行かずにそのまま川に流れていることをしてしている付箋もあり、理解している子が疑問を通して思い出すように働きかけることができています。

次回は、雨水や泥水が綺麗になるプロセスを考えるきっかけについて考えるために、ある実験をしていきます。

アクティビティ④

今回のアクティビティは2つの疑問を探索していきます。子どもたちの中で、水は、山からくるのか?海からくるのか?

ここでは「Making Thinking Visible(子どもの思考が見える21のルーチン)」のルーチン20をアレンジして取り入れました。

▼ ルーチン20 綱引き(tag-of-war)

机の真ん中に線を引き、綱引きの線にする。矛盾のある題材について、色々な視点や立場から検討する。
① 矛盾を持つ題材について、対立する立場に名前をつける。そして、綱の両側に名前を貼る。
② 綱にできるだけたくさんの引き手、すなわち自分の立場に引き寄せる理由を、一人一人付箋紙に書いて貼っていく。
③ 引き手の強さを判断して、強い引き手は綱の端に、弱い引き手は中央に置くように並べ替える。

ここでは、ある問題について自分の立場を決めて、その立場を確実な肝虚で裏付けるスキルを伸ばしていきます。また、子どもたちは、今の自分の理解を一人一人が示すことができ、さらに子ども同士で違う立場の意見を表明し、お互いにコメントし合うことで、一人一人の現段階の理解を知ることができます。

テーマ①「水は山から来るのか?海から来るのか?」

子どもたちは、水は山から来る立場、海からくる立場、水は循環(サイクル)しているので真ん中の立場の3つに分かれました。

海の立場の人は、「海から海水を汲み上げて水にする」ことを伝え、それに対して「塩水から水をつくるには、水も蒸発してしまうのではないか」とコメントする子どももいました。

また、山の立場の人は、「海の水よりも山の水の方が自然な感じがする」ことを伝え、それに対し「自然とはどういう感じなのか」というコメントを返している子どももいました。さらに「自然の力だけで飲み水になるのか?」という自然の浄化システムについて問う質問も出ていました。

間の立場のコメントを読むことで「水が循環していること」に納得している子どもが多かったです。

中でも印象的だったやりとりは「海の水より山の水の方が自然な感じがするから美味しい気がする。」という発言です。子どもたちの中で、使用した水の浄化システムについては下水処理場に行ったことで理解が進んでいたのですが、上水道のシステムについてはまだ気付いていないことが分かりました。そこで、次のトピックでは「水は自然の力できれいになるのか?それとも人口の力できれいになるのか?」という問いをなげてみました。

多かった意見は、自然の力50%、人口の力50%という意見でした。自然の力には書いてある理由は「自然が水を運んでいる中で、虫などがゴミを食べてくれる。」「微生物に助けられている。」というように、下水処理の過程にある自然の浄化システムについて聞いたことを思い出しながら書いている子もいました。また、人口の力では「加工した水を使っているかもしれない。」と下水処理と同じような仕組みが水をきれいにする仕組みの中にあるのではないかと予想していました。

「そもそも水は雨から降ってきているもので、降ってくる雨を自分は飲んだことがあって、きれいだから、自然だけだったらそもそもきれいにする必要はないのではないか」という言葉も出てきていました。

次のアクティビティでは、自然の浄化システムについて実際に自然の様子を観察しながら、自然の浄化システムを自然から学び、作ってみるアクティビティを行います。

アクティビティ⑤

まずは、学校近くの山へいき、山の近くの水が流れている様子を観察しました。観察してみると、見た目は透明な水が流れています。では、なぜ山から流れ出てくる水はきれいなのか?自然の中で水はどのようにきれいになっているのかを観察し、濾過するために必要な自然の材料を集めるところからスタートしました。

子どもたちは、砂、小石、枯れ葉、枝、木、炭などを集めていました。教室に戻り、子どもたちは、理科的なスキルである、比較実験についての確認を行い、量を変えるもの、順番を変えるものというように、どうすれば一番水をきれいにすることができるのかを考え、グループごとに濾過装置の設計図(第1弾)を書きました。

早速実験が始まりました。あるチームは、泥水を濾過し、1回目に濾過したもの、2回目に濾過したもの...5回目に濾過したものというように、回数を重ねるごとに濾過機能がどのように変化していくのかを比較していました。

まだ、第1弾の実験は途中なので、これからも実験は続いていきます。

アクティビティ⑥

子どもたちの中で、水には限りがあるのか、それとも循環しているので無限にあるのか?日本では水は当たり前にあるけど、世界ではどうなのか?少し、日本から世界に視点を広げるために、実際に水道水が飲めない、きれいな水が十分に供給されていないヨルダンの難民キャンプでJAICAの活動をしていた方をゲストに招いて話を聞きました。

▼ ワークショップの水に関する内容

・世界の中で使用できる水資源の話
・異常気象と水不足の話
・水道水が飲めない国の話
・きれいな水が飲みたくても買えない人がいる話
・日本でも水不足の可能性がある話

ここでは「Making Thinking Visible(子どもの思考が見える21のルーチン)」のルーチン14を取り入れました。

▼ ルーチン14 前の考え,今の考え(I used to think..., Now I think ....)

トピックについての現時点での理解に基づいて、次の「〜」を埋める。

前は「〜」と考えていた。

今は「〜」と考える。

このルーチンを通して、子どもたちが世界の水事情の話を聞く前と聞いた後で、新しい知識が増えたことだけにフォーカスするのではなく、考えや水への見方がどのように変化したのかを言語化することで、自分自身の思考の変化を理解することを目的に行いました。

▼ ワークショップ後の子どもの水への考え方/捉え方の変化

・水はきれいにすればいくらでもあると思っていたけど、水の量は限られているので大切に使わなければいけないと思った。
・海には2%くらい飲める水があると思っていたけど、話を聞いたら0.001%だった。
・いつでも水はあると思っていたけど、世界には水が大きいタンクに入っていてその水は1ヶ月分の水で、すごく少ない量を分けて使っている話を聞いて、水はいくらでもあるわけではないことを知って節約しようと思った。
・水について飲めるのが当たり前だと思っていたけど、世界で飲める水は少ないことがわかった。

子どもたちの中での水の捉え方が、水は無限にあると思っていたものが実が有限であったことが印象的だったのが子どもの言葉から読み取れます。

アクティビティ⑦

水はきれいにすることができると学んできた子どもたち。実際に水をきれいにしてみようということでペットボトルで自然の素材のものを使ってろか装置を作っていきました。ここで大事になってくるのは「何をどの順番で入れるのか?」今回のユニットでは原因がキーコンセプトであり、「物事は理由なく起こることはなく、起因関係があり、行動には結果が伴う」という理解を促していきます。なので、濾過システムにおいても、何をどのような順番で入れるのかを言語化することを大切にしました。

質問①「ろか装置では、石や砂利は大きいものから入れるのか?小さいものから入れるのか?」
出てきた子どもの考えは「大きいものから小さいものの順番に入れるのがいいと思う。理由としては、最初に大きなもので大きな汚れを取って、最後に小さい砂利で仕上げをしてきれいにする」と話していました。子どもたちなりに、理論があり正しい知識ではなく、子どもたちの生活経験の経験値も取り入れながら仮説を検証していきます。

質問②「ろか装置では、角ばった石と丸い石ではどちらの方がいいのか?」

実際に図で書いて示すと「丸石の方がいいと思う。理由は、ゆっくり、しとしと、ちょっとずつ流れるからいいと思う。」という考えが出てきました。そこで「丸い石を集めに行くためにどこに行ったらいいか?」という問いには「川で遊んだときに丸い石があったから、川に行ったら集められる。」ということで川に丸い石を集めに行きました。

知識が先に入る前に、生活経験から考えて、なぜそうなるのかを学校の授業の中で少しずつ発見しながら学んでいく姿がいいなと思いました。

浄水場のろかのシステムの本を読んで、小さいものの順番で入れることを発見して、ろか装置に組み込んでいる子どももいます。その一方で、何かを調べるのではなく、自分たちで0から考えて直感と生活経験でやり抜きたいチームもありました。

そして90分間、仮説と検証を重ねて全てのチームのろか装置が完成しました。

このチームは、浄水場の最初にある濾過システムを間に埋め込んでいました。ペットボトルの底に穴をあけて、大きなゴミが引っかかるシステムを作っていました。

最後は、浄水場にある炭を入れて、匂いをとっていました。そして最終的に出てきた液体は限りなく透明に近い液体が出てきて、これには子どもたちも驚きでした。

このチームは、一度濾過装置を作ったことのあるチームで、これまでの知識を活用して装置を作っています。1回目の実験では、一番透明な液体が出てきて、更に透明な液体が出てくるように更なる挑戦をしていきます。

しかし、濾過した液体がなかなか出てこず、出てきた液体は泥水を入れたのになぜか黄色い液体です。1日待てば、もう少し溜まっているだろうということで様子を見てみることにしました。

そして、1日が経過して全てのチームの濾過が完了しました。

まずは、昨日と比べて透明になっていることに気づく子どもたち。「なんで透明になっているんだろう?」よくよく観察すると下に砂やゴミが溜まっているのを発見します。「これって、浄水場や下水場のあるシステムと似ていないかな?」そう尋ねると「沈殿!!!」という言葉が出てきました。ここで、なぜ沈殿するシステムが重要なのかに気づく子どもが出ていました。

ここから、濾過選手権の結果をお互いにしていきます。きれいな水を作ることを目的にスタートした濾過装置づくり。「きれいな水とはどのような水なのか?」子どもたちから出てきたのは「色、濁り具合、匂い、砂の量」です。そして、子どもたちから「点数で評価したい」という声が出てきて、どのように数値で評価するところから一緒に考えました。子どもたちは自分たちが決めた数値の評価方法を元にグループごとに観察をしながら評価をしていきます。

子どもたちの評価はこちらです。見た目だと透明に近いのはC、匂いが一番少ないのはD、透明度はBというように、それぞれのチームに特色が出ました。全てのチームが、元の泥水と比べると、きれいな水が濾過されて出てきました。
「みんなが濾過したこの水って飲めるのかな?」そう尋ねると「飲めないと思う。消毒が必要だと思う。」「どこで消毒しているんだろう?」「下水処理場かな?」

実際に、濾過実験の後に水はどのようにしてきれいになって私たちのところに届くのかを考えたことをまとめると「下水場で水をきれいにして地下の水道管を通って家に届く」という考えが出てきました。

また、こちらのチームは見事に私たちの元に届く前に、濾過システムと消毒の過程があって水道に運ばれることをまとめています。浄水場の知識がなくても、実際にこの濾過実験のシステムの濾過だけでは飲めないことを体験を通じて知り、濾過して消毒することが必要であることをまとめていました。
このチームでは、水は山から汲み上げられる場合と海から汲み上げられる場合があることをまとめていました。

「水は山から汲み上げるのと海から汲み上げるのはどちらが自然な流れかな?」という発問には、海からと山からの意見に分かれます。山から流れると考える子は「高いところから低いところに水は流れるから、山から川に流れる途中で水を汲み上げる方が楽だと思う。」その一方で、海から流れることを主張する子は「海で汲み上げて浄化して、ポンプで上に上げて水を送っている」と話していました。

子どもたちの中で「浄水場の存在がまだ浮かび上がっておらず、水が川から来るのか、海から来るのかも疑問が残ったままです。」

アクティビティ⑧

「海の水の塩って取り除くことってできるのかな?」そう尋ねると「できると思う。」そう答える子どもたち。では、急遽予定を変更して、海の水から塩を取り除く簡易実験を行いました。3.0%の塩水を作って、コーヒーフィルターで濾過して、濾過する前と濾過した後で飲み比べをしました。

濾過する前の水はもちろん辛くて、濾過した後の液体も同じように辛い塩味です。濾過実験では、泥水の汚れを取り除くことができたのですが、塩水の塩は簡単に取り除くことができません。

「川の水をきれいにするのと、塩水を飲める水にするのってどちらが簡単なのだろう?」

川の水と海の水で意見が分かれたので、急遽海水を飲める水にする装置づくりのプロジェクトについて提案すると、全員がやってみるということなので、チームプロジェクトで濾過装置の設計が始まりました。

チームごとで濾過実験の経験を生かしながらアイデアを設計しました。水の重要性について体感した後は「水の利用と使用に対する地理的影響」を探究していきます。私たちが住んでいる日本とそれ以外の国では、水の利用方と使用法は地理的影響をどのように受けており、どのように対応しているのかを探究していきます。その一歩は、この海水を淡水にする探究でスタートしていきます。

まず最初の探究は海水をつくることからスタートします。海水って塩が入っていることは知っているけどどれくらいの塩の量が入っているのかがピンとこない子どもたち。

調べてみると海水の塩分濃度は3.4%です。パーセントについては、ユニット2の天気の学習で降水確率の時に学習しています。「%ってなんだろう?」と尋ねると「パーセントは100の中でどれくらいあるかを表している。」と言葉にする子どもたち。「ということは塩分濃度が3.4%ということは100gに対してどれくらい入っているんだろう?」子どもたちは、降水確率での学びを思い出しながら、パーセントという概念を応用していました。

100gに3.4gということは、200gに6.8gの塩が含まれていること事実を知り「だから海の水はあんなにしょっぱいのか!」と納得している様子でした。

そして早速製作した濾過装置で実験スタートです!

作戦どおり塩が布の隙間を通れず上手く塩を取り出せたと考えている子どもたち。

それぞれのチームに濾過するための材料や順番に意味があります。

最後は、トライしたい人で塩分がどれだけ取り除けたのかを実際に飲んでみて試してみます。判断基準についても子どもたちと一緒に考え出します。塩分濃度と味を指標として、1-10で評価を行いました。

▼ 結果

▼ 実験から分かったこと

アクティビティ⑨

Unit3では、疑問から知識をインターネットで調べるのではなく、問いから仮説を立て実験を通して問いを連続させていく学びを行なってきました。子どもたちに「ユニット1-2までの学び方と異なることってなんだろう?」「思考をより深めるために必要なものってなんだろう?」そう話すと「知識」というキーワードが出てきました。

「自分たちは知識をどのように得ることができるのか?」

今回は、教室の中にあるユニットに関する16冊の本を分類し、1人1冊の本を選び、本の中で重要だと思った知識(事実)を5つ見つけ、スライドでまとめる学習活動を行いました。最初に付箋を5枚ずつ配り、全体を見ながらこの本の中で重要だと思う場所に付箋を貼ってもらいました。4時間の中で、知識をインプットし本の情報をそのまま写すのではなく、自分の理解した言葉でスライドにまとめてもらいました。

明日は、知識を構造化する活動を「ストロー建築」でチャレンジします。子どもたちがこれまでに考えたことと正しく学んだ知識をどのように構造化していくのか楽しみです。

いつも読んで頂きありがとうございます。

*参考文献
子どもの思考が見える21のルーチン(リンク