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数学でビジネスプランを考える

Unit2 パーセンテージ (%)

Unit2では、パーセントを使って社会の中で起きていることを分析していきます。最初の導入としては、ビジネスとパーセントについて考えるアクティビティを行いました。

中学生は、スポーツデイの屋台で自分たちで販売商品を決定し、仕入れ、販売額の決定をして、実際に商売を行います。今年行われたスポーツデイでの中学生の原価率は35%でした。

では、ビジネスをするときにどれくらいの利益を見込んで販売をしたら良いのでしょうか?今回は、オレンジジュースビジネスを5人の中学生に考えてもらい、ビジネスプランをchatGPTに判断してもらいました。(制限時間は30分)

▼ chatGPTの判断基準

① 販売数が高くなりそうな順番+予想販売数と理由
② 売上額が高くなりそうな順番をつけてください。+予想売上額と計算式で説明
>計算式(予想利益額: ((販売価格 - 原価) × 予想販売数で計算
③ それぞれのビジネスプランへのアドバイス

子どもたちは、商品の仕入れ(原材料)とその値段を元に価格の決定を行いました。

A. 
ミカン果汁50%(水は水道水で割っている), ミカンジュース500ml, 
原価224円, 販売価格400円 
商品の紹介:味は薄いから飲みやすい!みかん粒入ってる!

B. 
ミカン果汁50%, ミカンジュース500ml, 原価281円, 販売価格300円 
商品の紹介:和歌山県の訳ありみかんを使った果汁100%のみかんジュースです。

C. 
ミカン果汁100%, ミカンジュース500ml, 原価278円, 販売価格550円, 
商品の紹介:和歌山県産のみかんを使用しており、果汁100%です。その場で作るので新鮮で美味しいジュースをご提供します。

D. 
ミカン果汁100%, ミカンジュース500ml, 原価204円, 販売価格550円, 
商品の紹介: 和歌山県産のみかん。添加物と砂糖と着色料は不使用なので健康的。

E. 
ミカン果汁83%, ミカン炭酸ジュース500ml, 原価288円, 販売価格450円, 
商品の紹介:商品の魅力は、業務用のミカンジュースの原液を炭酸水で割るので一個あたりの販売価が450円と安いのと、他のところではない炭酸水を使っているところです。そしてミカンジュースの原液を使うので6ヶ月と賞味期限が長く、長く持つことができます。

これをchatGPTで入力するとこちらが示した評価の観点で実際に予想販売数と予想利益額を提示し、ビジネスプランへのフィードバックを与えてくれました。

① 販売数が高くなりそうな順番+予想販売数と理由

B. 

予想販売数: 約1200本
理由: 原価が他のオプションよりも低く、価格も手頃なため、多くの人が購入しやすいと考えられます。また、和歌山県の訳ありみかんを使用した特徴的な商品が魅力的です。
A. 

予想販売数: 約1000本
理由: 価格が手頃で、みかん粒が入っていることで興味を引く要素があるため、需要が高まりそうです。
E. 

予想販売数: 約800本
理由: 炭酸ジュースという新しいアプローチで、価格も手頃です。独自の特徴がありますが、一部の人にのみ需要がありそうです。
C. 

予想販売数: 約600本
理由: 高価格帯で、原材料や製法にこだわりがあり、高品質なジュースを提供することで、一部の顧客に需要があると考えられます。
D. 

予想販売数: 約400本
理由: 高価格帯であるが、健康的な選択肢として需要があると考えられます。ただし、価格が高いため販売数は限定的です。

② 売上額が高くなりそうな順番をつけてください。+予想売上額と計算式で説明
>計算式(予想利益額: ((販売価格 - 原価) × 予想販売数で計算

A. 
予想販売数: 約1000本
予想利益額: ((400円 - 224円) × 1000本) = 約176,000円

B. 
予想販売数: 約1200本
予想利益額: ((300円 - 281円) × 1200本) = 約22,800円

C. 
予想販売数: 約600本
予想利益額: ((550円 - 278円) × 600本) = 約163,200円

D. 
予想販売数: 約400本
予想利益額: ((550円 - 204円) × 400本) = 約138,400円

E. 
予想販売数: 約800本
予想利益額: ((450円 - 288円) × 800本) = 約130,400円

予想利益額が高い順に並べると、C.  > D.  > A.  > E. > B. となります。

①の結果を見て販売数がトップだったBのプランも、利益額を見ると一番低くなっているのが計算の結果を見て気づきます。どれくらいの利益率(原価率)を設定するとバランスが取れるのかをパーセントの概念を学ぶことで判断基準の1つになります。

振り返りでは、Bのビジネスプランを考えた生徒は、「これは副業としてするので、あまり利益を考えるのではなく、今世の中が物価が上がってきているので、購入しやすい価格設定にすることにした」と話をしているのが印象的でした。

これからパーセントを使って世の中を分析していく学習が始まります。