フィンランドの学校に行こう!

フィンランドの教育を通して日本の教育を見つめ直す。

みんなが幸せを実感できる学校を沖永良部に作りたい!

こんにちは!
沖永良部でフリースクールの立ち上げを行っております、地下智隆(@tomofinedu)と神前洋紀(@rungorungo_)と申します。

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私たちは、「みんなが幸せを実感できる学校」を沖永良部島に作るために、現地の方とフリースクールを立ち上げる活動をしています。

1. 沖永良部で新しい学校?? 

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◯ WHAT ◯「フリースクールとは?」

フリースクールとは、何らかの理由から学校に行くことができない、行かない、行きたくても行けないという子どもたちが、小学校・中学校・高校の代わりに過ごす場所です。不登校やひきこもりをはじめ、軽度の発達障害、身体障害、知的障害などの様々な背景やニーズを求める子どもたちを受け入れ、学びの場を提供しています。

▼7月にオープン予定の沖永良部島の学校建築の様子

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◯ WHY ◯ なぜ、島にフリースクールが必要なのか?

現状として、沖永良部島全体で、小中学校で約30人(約33人に1人)の不登校児童生徒がいます。沖永良部の不登校の子どもたちは、行政が管轄の適応指導教室に通っている子もいますが、最終的にほとんどの子どもが自宅で過ごしています。

なぜなら、適応教室では、どうしても学習をすることが強いられ、不登校の子どもたちは、そこに居場所を感じなくなります。現状として、不登校支援という分野では、学校や行政、私たちNPO法人も悩んでおり、なかなか支援の一歩が踏み出せない現状があります。

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都会であれば、学校に通っていない子どもも、地域のスポーツクラブに通ったり、習い事(塾や英会話)をしながら地域に居場所を作ることができますが、コミュニティーの小さい沖永良部では、学校に行けてない子どもたちは自宅以外の居場所を作ることが難しい現状があります。

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「離島の子どもたちも、その子に合わせた学びの環境を作る」ためにはどうしたらいいのかと考えていた時に「島に公立の学校と不登校の子どもの繋ぎ役になれる居場所(=フリースクール)を作ろう!!!」と・・・4月から沖永良部に移住してきました!

◯ HOW ◯  フリースクールを通してどのようにして不登校支援を解決するのか?

沖永良部島という小さなコミュニティーを活かして、フリースクールと学校の新しい連携が生まれようとしています。現状として、学校という一斉授業(全ての生徒が、同じ進路で同じ学習内容を行うこと)の中で、40人の生徒一人一人のニーズに答えることは、先生にとって負担が大きすぎます。時代の変化とともに、子ども一人一人のニーズも多様化しており、学校だけでニーズに答えることは難しくなってきています。この事に関して、教育哲学者の苫野一徳さんも自身のブログでこのように述べています。

 とはいえ、学校以外の居場所(フリースクール等)で学習をすることがまだまだ認められていない(出席扱いにならない)現状が殆どです。このことは、不登校=ネガティブな印象」を与える大きな要因になっていると不登校支援に関わり強く感じるようになりました。

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現実的に、学校では一人一人に合わせた支援をすることは難しいけど、外部の教育機関に全てを任せられないという葛藤もあります。なぜかというと、今まで前例がなく、モデルもないからです。そこで、私達の最初のミッションは、沖永良部島に学校以外で安心して学べるフリースクールを作ることで、不登校=ネガティブなものではない」「不登校=その子に合わせた環境整備の必要性」という価値観を沖永良部島という地域に広めていくことです。そのために、沖永良部の学校や行政と協働で子どもを支えていくセンター的な役割となれるように活動しています。

では、私たちがこれから作るフリースクールでは、どのようにして不登校の子どもの支援をして行くのかを、ある不登校の男の子の例をあげて考えてみます。

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(ある不登校傾向のある男の子の例)

①学習が分からなくなるフィンランド支援開始

②授業がつまらなくなる

③先生に怒られるようになる

④学校に行きたくなる

不登校←日本支援開始

この流れの場合、日本の学校が動き出すのは⑤の不登校傾向になった段階で支援が始まります。しかし、フィンランドでは、①の段階で公立の学校で誰もが一人一人に合わせた支援を受けることができます。 日本でもこのような環境を作るためには、フリースクール等の教育機関が行政と協力する必要があります。

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このようなケースの場合、まだこの子は不登校になっていませんが、もしこの子のニーズが「勉強が分からないから、学校に行きたくない。」というものなら、週に1回フリースクールのような場所で個別学習が受けられると、勉強が分かるようになり、また公立の学校に通うことができるようになります。フリースクールに通うことで、学校の先生の負担を増やすことなく、このような児童生徒を早い段階で支援することができます。

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オランダの場合だと、複数の学校に通う子もいます。週に4回は、集団授業の学校に通い、週に1回は個別学習の学校に通う等、その子に合わせて学校を選択することができます。保護者と教育機関がしっかり連携が取れる教育環境を広げて行きたいと思っています。

2. 私たちが作りたいのは一人一人の夢が実現でき、みんなが幸せを実感できる学校

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 私達の夢について、1分間の動画にまとめたので是非ご覧ください!


長友ドリーム

大学2年の時に、沖永良部島の学習塾のボランティアに参加して、島の教育環境の課題について話を聞きました。「日本の教育は世界の中でも、水準が高く、世界からも注目されていますが、離島僻地に目を向けると、日本にも相対的な貧困がある」と島の方から聞いた時はとてつもない衝撃を受け、教育について深く考えるようになりました。

「島に住んでいるから、自分の学びたいことが学べない。」

「家にお金がないから、学びたいことを学べない。」

「家の手伝いをしないといけないから、島の高校にしか進学ができない。」

このように、生まれた地域や家庭環境で学ぶ機会に格差が生まれ、貧困が連鎖しているのはフェアじゃないと感じたことを覚えています。

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一人一人に合わせた教育の機会は「全ての子ども」に平等に与えられるものです。

あなたの周りに、学校以外の学びの場の選択肢がなくて悩んでいる人はいませんか??

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早ければ幼稚園で発達の遅れが現れ、家庭では叱られ、学校に馴染めなくなります。現在、全国的に見ても、小・中学校における不登校児童生徒数は14万4031人(前年度比1万348人増)と、統計開始以降、初めて14万人に達し、過去最多を更新しました。(文科省は2017「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題」)これは、全児童生徒に占める不登校の割合が、小学校で0.54%、中学校で3.25%となっていますので、小学生184人に1人、中学生30人に1人が不登校ということになります。

これが今の日本の現状です。

いつ、だれが不登校になるのかわからない。姉妹・友達などの身近な人の子どもが、「明日学校に通いたくない」というかもしれません。だからこそ、教育に携わる人を含めた多くの人が「正しい教育への理解」を広め、離島僻地で育つ子どもたちにも多様な教育の機会を作ることが必要だと思い、沖永良部でフリースクールの事業を始めました。

私達が立ち上げているフリースクールの名前は「アン」です。「アン」とは、「全ての子どもに教育の機会を作ること」「一人一人に合わせた支援をすること」という意味の造語です。

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フィンランドの学校現場で働き、日本の現状について知れば知るほど日本の公教育の幅を広げる必要感が募っていきました。私たちは、地域の中で学校や家庭と共同できる教育機関を作っていきます。

この長友ドリームで、資金を得られたら、フリースクールに加えて、Nセンター(N高校)を私達の学校に導入し、一人一人の自己実現に向けた学びの選択肢の幅を広げる教育環境の構築を行います。

(N高に通う生徒のモデル)

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今沖永良部には、沖永良部高校(普通科と商業科)だけしかありません。生徒の中には、専門的なことを学ぶために、島外の進学を希望する子もいますが、家業のお手伝いで、島外に出ることが難しい家庭もあります。もし、通信制の高校を導入することができれば、地元に残りながら、自分の将来に向けて学習をすることができるようになります。私達が今住んでいる奄美群島では、沖永良部だけではなく、近隣の島でも同じような課題があります。ここが事例の一つとなり、将来的に離島僻地の教育環境の向上に繋げていきたいと思っています。

「学校と合わなかったら、その子に合わせた別の環境を整えよう」くらいの気持ちで、「学校以外の環境で学ぶことも選択肢の一つにできる!」そういう生き方や学び方ができる社会になると、学校という小さな空間に生きずらさを感じている子どもには、その子にあった生き方の選択肢を示してあげられる大人が増えていくと思います。

3. 資金の使い道

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長友ドリームで頂いた資金は沖永良部にN高の導入の資金として使用させて頂きます。

A. 沖永良部島出身のN高入学奨学生2名=150万
 N高の授業料=150万円

B. N高導入に向けた設備投資=30万

C. フリースクール運営費=100万
 教材費(オンライン学習教材「すらら」含む):20万

D.その他経費=20万円

4. メンバーからのメッセージ 

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神前洋紀

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私は、「どうやったら、みんながワクワクするのか」と考え、5年間小学校教員として勤めました。子どもたちが一番ワクワクするのは、「やりたいことをやりたいときにやりたい場所でやりたい人と」だと思いました。しかし、一つだけ違和感がありました。
「みんなで同じことを同じようにやらないといけない」雰囲気です。子どもたちからワクワクが消えていく瞬間がとてつもなく切ないです。子どもたちがワクワクしているのを見るのが、私の生きがいです。
私は、みんながそれぞれのワクワクを応援し合えるような学校をつくりたいです。このワクワクは、必ず将来の生きるパワーになると信じています。

地下智隆

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 「私は、生まれた環境や地域に関係なく、一人一人に合わせた教育の機会を広げることで、みんなが幸せになれる学校を増やしていきたい!」ビジョンがあります。その最初の一歩として、私が生まれ育った鹿児島県で今活動を行なっています。なぜ、私が沖永良部という島を選んだのかというと、私は在学時代に3度沖永良部島を訪れ、島の子どもたちの学習支援ボランティアに携わる中で、島の教育環境の魅力と課題を知ることになります。その後、理想の教育のあり方を学ぶために、在学中に6ヶ月間フィンランドの学校現場で先生として働く中で、沖永良部という環境のニーズに合う「新しい学校」について構想を練り、現在沖永良部で島の方と協働で、フリースクールの立ち上げを行なっております。

自分だけで実現するのは難しいかもしれませんが一緒にこの新しい価値観を広げてくれる人たちの協力があれば絶対にできると思っています。

「みんなが幸せを実感できる学校を沖永良部から広げていきたい!」

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