Learner Profile「Thinker」私たちはどのように思考しているのか?<レゴ®シリアスプレイ®>
「私たちはどのように思考しているのか?」
モーニングMTGで校長先生から子どもたちに問いかけられた問いです。
子どもたちの多くはなんとなく「脳みそを使って思考している」ことを知っていますが「じゃあどうやって脳みそを使っているの?」と聞かれると大人でも「あれ、どうやって使っているんだっけ?」と答えられなくなると思います。
私たちの学校では、毎月1つずつ、国際バカロレアが示しているLearner Profileを意識しながら、自分たちの学校生活や暮らしに取り入れています。そこで、子どもたちと一緒にLEGOブロックを使って、「私は、どのように思考しているのか?」を表現してみる学習活動(レゴ®シリアスプレイ®)を行いました。
レゴシリアスプレイとは?(参考リンク)
レゴ® シリアス プレイ®は、大人のガイド付きワークショップで使用するために開発された革新的なプロセスです。このプロセスを通じ、コミュニケーション力、アイデアを促し、問題解決能力と想像力の使用を発達させます。 スターターキットのようなシリアス プレイ®セットは、6歳以上のお子さまの批判的思考スキルの構築にも最適です。 各セットは、アイデアやコミュニケーション力などのさまざまなスキルを強化するように設計されており、ワークショップ経験の向上につながります。相互作用へのこの革新的なアプローチは、教育だけでなくビジネスにおいても貴重な資産であり、参加者が親しみやすい遊びの媒体を通して開放できるようサポートします。
子どもたちは、最初はLEGOで表現することに難しさを感じていましたが、一人の男の子が作り上げると、次々と手が動き始める子どもが増えてきました。
ここでのポイントは「自分自身はどのように思考しているのか?」という問いです。一般的な思考方法をインターネットで調べてLEGOで表現するのではなく、自分自身がこれまでの経験を振り返りながら、どのように思考しているのかを自分なりにLEGOで組み立てていくことを大切にしました。
ここでは、45分間のアクティビティの中で、どんなアウトプットが出てきたのかを紹介していきたいと思います。
アウトプット①
目で見て思考が動いたり、自分自身がいい気持ちの時に考えていると言葉にしていました。印象的だったのは、いい気持ちの時だけ考えているのではなく、自分が嫌な気持ちになった時にも「どうしたらいいんだろう〜」と思考が動くことを言葉にしていました。
キーワード「自分自身の感情(いい気持ちと悪い気持ち)」「目からの刺激」
アウトプット②
刺激や情報が入ってきて、どのように思考して、知ることができるのかをLEGOで表現し、言葉と図で表現していました。情報が入ってきて、最初に分かれ道と出会います。ある情報や問いに対して、自分なりに考えて、一人一人の考えを聞いて答え合わせをしてあっていたら脳までいって知ることができ、間違っていたり、分からなかったらモヤモヤの方にいくことを話していました。
アウトプット③
特徴的なのは、脳の上にたくさんのブロックが積み上がっていることです。目で見て、頭で考えて、考えたことを口で言う。この積み上がっているブロックは頭の中で考えていることを表現しています。実際に、何度も積み上げて、壊れて、また作り直すことを繰り返しており、思考というものは何度も積み上げて壊れて、また組み立て直すことともつながっていることを表現していました。
アウトプット④
印象的なのは、思考するには「知識マン」が必要であること。だからこそ、生まれたきより、学習を重ねた方が知識が増えるので、思考することが次第にできるようになることを話していました。
アウトプット⑤
例えば「花」を見て、脳で考えたことがことが橋のようなものを渡って、まずは自分の脳の中の知識を探してみる。もし、自分の脳内に探していたものがあったら、周って旗が立ちます。その知識が自分の頭の中に渡って、ようやく「花」ということが分かります。このように人は思考していることを説明していました。
アウトプット⑥
自分自身の目や耳などの全てで感じたことを脳に伝えて考えて、口で話していることを話していました。
アウトプット⑦
脳の中では、ずっと考えているのではなく、休憩する時間もあれば、動く時間もあることを話していました。何かの情報が入ってきた時に、プロペラのようなものを動かして、動かすことで線を伝ってきた考えが脳に伝わるのではないかと話していました。
アウトプット⑧
ここでは、人間の体の中にある生命体をレゴブロックで表現していますが、実際に自分自身は、座っている時よりも、体を動かすことで思考がより動くことに気付いていました。
フィンランドで大切にされている、自分自身はどのような環境が思考が動くのかということをまずは、自分自身が知り、それを周りに伝えることで環境をデザインする。自分に合った学びやすい環境を選択できるために、自分自身を知ることができた時間になったのではないかなと思いました。
アウトプット⑨
最初は、視覚的に入った情報の方が、耳から入ってきた情報より思考が動くことを話していました。でも話していると、どっちも合ったほうが思考が働くかもしれないと話しており、ただじっと座って学ぶのではなく、五感を使って学ぶことで思考が動くことに気付いていました。
アウトプット⑩
最初は全然思いつかなかったけど、とりあえずジェットコースターのようなものを作って手を動かしていたらこんなものができたと話していました。思考する時には、脳みそが回っているような感じを表現していました。
私自身、このワークをして子どもたちがどのような学習環境であれば思考が動くのかを知ることになりました。一人一人、どんな環境が合っているのかは違っていて、一人で集中する方が思考が働く子もいれば、友達の意見を聞きながら学習する方が思考が働く子もいます。視覚優位の子もいれば、聴覚優位の子もいます。しっかり座って学習することが集中できる子もいれば、動き回りながらの方が集中できる子もいます。
フィンランドの教室には、色々な学習環境がデザインされています。その理由が今回のアクティビティを通じてより実感を伴って感じられました。子どもたち一人一人が学習しやすい環境のデザインを少しずつ取り入れていけたらと思いました。
▼ フィンランドのインクルーシブ教育の記事を紹介
① 実際に私がフィンランドの学校現場で働きながら感じたことをレポートした記事
② フィンランドでインクルーシブ教育を実践している先生へのインタビュー記事
いつも読んで頂きありがとうございます!