フィンランドの学校に行こう!

フィンランドの教育を通して日本の教育を見つめ直す。

Unit3 テーマ概要

ユニット③では「この地球を共有すること」をテーマに探究していきます。

▼ 世界はどのような仕組みになっているのか?(*PYPのつくり方参照リンク

限られた資源を他の人々そして他の生物とどのように分け合うかということに取り組むうえでの、権利と責任について、コミュニティーとは何か、そしてコミュニティー内およびコミュニティー間の関係性、機会均等の実現について、平和そして紛争解決についての探究。

では、具体的にユニットの概要について紹介していきます。

▼ ユニット③の概要

▼ 教科の枠を超えたテーマ
Sharing the planet
この地球を共有すること
▼ セントラルアイデア
The availability and management of water impact the development and sustainability of communities.
水の利用と管理は、地域の開発と持続可能性に影響を与える
▼ 探究の流れ:
- The importance of water as a resource for life
生命の資源としての水の重要性
- The impact of geography on water availability and use
水の利用と使用に対する地理的影響
- The different ways communities manage and use water sustainably
コミュニティが持続的に水を管理・使用するさまざまな方法

前回のブログでも言及しましたが、ここで一番上に書いてあるセントラルアイデアというのは、この単元を通して子どもたちに一番伝えたいメッセージのようなもの(中心的な概念)だと考えています。

このユニット3では、「水」について探究を深めていきます。

私たちの生活は、水と大きく関わっています。例えば、私たちは1日生きていくためにどれくらいの量の水を必要としているでしょうか?岐阜県に住んでいると、年間を通じて、雨も比較的多く降り、近くに川が流れていることで、水が私たちの暮らしからなくなることは想像できないかもしれないです。もし、水が無くなったら私たちの暮らしはどのようになってしまうのでしょうか?

その一方で、世界には地理的な環境の影響を受けて、降水量が少なく飲料水を確保するのが難しい国もあります。日本でも、食料自給率を考えると、見えないところで多くの水を海外に依存している現状もあります。

私たちの暮らしが成り立っているのは、安全な水がコミュニティの中でしっかり管理されており、誰もがアクセスすることができているからこそです。

「では、私たちが普段使用している水は、コミュニティの誰が管理しており、私たちの元へ届くのでしょうか?」
「未来にも安全な水を届けるために、私たちはコミュニティの中でどのように水を管理し、利用したらいいのでしょうか?」

このユニットでは、実際に私たちが日常使用している水がどのようなメカニズムで循環しているのかを理解した上で、水の重要性を理解しながら、水を持続的に管理・利用していくシステムや考え方について探究を行っていきます。

フィールドトリップでは、上下水道、水源地、可能であればダムの見学を行いながら、私たちの暮らしの水がどのようなシステムで循環しているのかについて専門家から学んでいきます。

最後のアセスメント課題では、今の社会で起きている水の現状について学び、その上で、持続的に安全な水をコミュニティの中で管理、利用していくあり方について探究していきます。