フィンランドの学校に行こう!

フィンランドの教育を通して日本の教育を見つめ直す。

メタ認知を大切にしているフィンランド

メタ認知とは何か?」

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メタ認知」とは何か?

メタ認知とは「メタ認知で〈学ぶ力〉を高める (p.14)」より引用・・・

認知についての認知。つまり、自分自身や他者の行う認知活動を意識化して、もう一段上から捉えることを意味します。いわば、頭の中にいて、冷静で客観的な判断をしてくれるもうひとりの自分のようなもの

日本とフィンランドの学校教育の大きな違いの一つに「メタ認知」に大きな差があると感じました。私は、これまで「メタ認知」がなぜ大切なのか?を考えるきっかけはありませんでした。その理由として、「私は私」というよりは「みんなの中の私」という考え方が強かったからです。画一的な教育を受けてきたことで、周りの人と異なる生き方をする事に怖さがありました。しかし、実際には、10人いれば10通りの生き方があると感じるようになってきました。就職活動で、「あなたは何がしたいのか?」「あなたはどう生きたいのか?」と急に問われても、答えは出ません。フィンランドでは、幼児期から「メタ認知」をつけるための教育が行われています。

では、「メタ認知」を高めることで、どんな効果があるのかをフィンランド教育の事例を通してまとめていきたいと思います。

① 「ありのまま」の自分を受け入れられる人に。(=自己肯定感)

② 「ありのまま」を受け入れられる人に。

③ 「自分はどう在りたいのか?」を考える。

④ 「自分に合った学びの環境・方法」を考える。

 

事例と教材と一緒に見ていきましょう。

①「ありのまま」の自分を受け入れられる人に。

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私がインターンをしていたフィンランドの小学校では、子どもたちは「趣味」や「好きなこと」を自信を持って話してくれました。

(例)

「私は、勉強は苦手だけど、アイスホッケーが大好き。」

「私はADHDを持っているけど、学校で一番英語が話せるんだ。」

「私は、友達と一緒に行動する事も好きだけど、ひとりでいる事が好き。」

もちろんフィンランドでも、グループで行動する事もありますが、日本ほど強い結びつきは在りません。「集団でいることで自分を守る」というよりも、「自分が誰と一緒にいて心地よいか」を大切にしています。なので、フィンランドでは、中学生になっても男女で友達として一緒に行動することも普通に見られます。

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これは、図工の時間に子どもたちが「私の好きなもの」をテーマにして作ったものです。子どもたちは、雑誌の中から、自分が好きなものを切り抜いて、1枚の紙にまとめていきます。日本だと、高学年になると、自分が好きなものをみんなにオープンにする事に抵抗を感じると思いますが、子どもたちがこの作品について紹介する姿は、とてもイキイキとしていました。

「なぜ、子どもたちはありのままの自分を受け入れられるようになったのか?」

「こんな学校あったらいいな(p.17)より引用」・・・

自己肯定感を育むためには、子どもの声に耳を傾け、子どもがやりたいことをやらせる。そして、大人がその子の成果を認めてあげる。その結果、子どもには、自分は自分であってもよいのだという自覚が芽生える。

この仮説が正しければ、なぜ日本の子どもの自己肯定感が低いのかが分かります。やはり、大切なのは、子どもの周りにいる大人(教師や親)の存在だと思います。子どもは、周りの大人に受け入れられる事で、次第に自分も他者を受け入れることが出来るようになってきます。

 

②「ありのまま」を受け入れられる人に。 

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フィンランドの子どもたちは、「人との違い」を認める、受け入れる力が育まれているように感じるエピソードを紹介します。

 

(エピソード) 

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私は、このエピソードから、子ども自身がしっかり「メタ認知」できているのを感じました。このADHDの男の子のとった行動に対して、ボードゲームで遊んでいた男の子は冷静に対応していました。

彼らの頭の中には、「彼は、嫌がらせをするためにボードゲームをバラバラにしたのではない。彼の持っている特性が彼の行動を促した。ADHDの子に責任があるのではないので、ここでは我慢することにしよう。」これによって、ADHDの子は、安心して私に「自分がADHDであること」を打ち明けてくれました。

これ以降、彼が衝動的にボードゲームをバラバラにすることは起きませんでした。

「受け入れられた安心感(環境)が彼の衝動が出にくくしている。」と感じました。

障がいを持った子どもを受け入れる子どもの成長に感動したエピソードでした。

③「自分はどう在りたいのか?」を考える。

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フィンランドで、親や先生が子どもと関わるときにとても大切にしている言葉です。

ここでは、子どもを「一人の人間」としてみています。 

「みんながこうしているんだから、あなたも〜」とか

「友達がこうしているんだから、あなたは〜」

「お兄ちゃんはこうしているのに、あなたは〜」という言葉かけはありません。

常に「ひとりの人間」としての言葉かけを行なっています。

これによって、周りの人と比べて、「自己肯定感が極端に下がる」ということはありません。もちろん、ときには周りの子と競争することも大切です。しかし、それよりも「自分はどうしたいのか。」を尊重されているので、先生も子ども自身も、昨日の自分と比べることを大切にしています。

ひとつ教材を紹介します。

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これは「今日あなたが頑張ったこと?」と書かれています。

どういった選択肢があるかというと、

・好奇心

・やり抜く

・チームワーク

・創造性

・親切等

このように、授業が終わるごとに個人での振り返り(自己評価)を行うことが多いです。これにより、自分を客観視(メタ認知)できる習慣を身につけていました。

④「自分に合った学びの環境・方法」を考える。 

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 最後に、自分自身で集中できる環境を整えている点についてまとめます。

フィンランドでは、「学校に何をするために来ているのか?」という問いに対して、シンプルに「学習すること」が中心に来ます。

・スポーツは地域

・躾は家庭

・学習は学校

という具合です。子どもたちの認識も「学校=学ぶ場所」です。

そこで、基本的には正しい姿勢で学習する練習も低学年では行いますが、基本的には子ども達は自分が一番集中できる環境を自ら選択して学びます。

中には、廊下に寝そべりながら学ぶ子、バランスボールに乗りながら学ぶ子、一人で学ぶ子、友達と一緒に学ぶ子と一人一人学び方が異なります。

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Q:「なぜこのような方法を取り入れているのか?」

A:「①子どもは、社会に出たら自ら集中できる環境を自分で作っていかなければいけません。そこで、小学校段階から、自分がどのような環境なら集中できるのかを知っておく事で、卒業後も自分の学びやすい環境を自分で作ることができるようになります。(メタ認知)」

A:「②そもそもなぜ、きちんとした姿勢で学習をしないといけないのか?きちんと座ることで、座ることがきついと感じ、それが転移して学習がきついと感じる子も出て来ます。私たち大人も、集中したいときは、カフェに行く人もいれば、図書館のような静かな環境で学ぶ人もいます。子どもも同じように、自ら選択して、学校の中で集中しやすい環境の中で学んでもいいのではないでしょうか?」

最後に・・・

 

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今沖永良部で勤めている「サランセンター」 で葛藤している事があります。

子どもの自己肯定感を育むためには、子どものありのままを受け入れることが大切になります。しかし、それだけで、「子どもは幸せになれるのか。」という事です。

私は、今「子どもが自立するための支援」について考えています。

子どもは、いずれ社会の中をひとりで自立していきていく事になります。

子どもたちは一人一人が夢や目標を持っています。「自分がやりたい」目標を達成するためにも、社会に揉まれながらも「生き抜く力」を育んであげる事が大切ではないかと思います。

今は、子どもたちにとって厳しいかもしれないけれど、踏ん張りどころです。

バランスを大切にしながら、子どもたちと向き合っていきたいと思います。

 

以上「メタ認知を大切にしているフィンランド」についての記事でした。

 

明日からの実践で是非使っていただけたらと思います。