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Unit5 Week2-3 それぞれの年齢の発達課題は変化する

Unit5 身体の変化は心の変化をもたらす

ユニット5では、以下の知識とスキルの構造で概念型の探究を進めていきます。

ユニットの導入では、心の変化を少しずつ迎えている4年生が、自分自身の心の変化を捉える学びからスタートし、キーコンセプトである「変化」にフォーカスし、年齢ごとの心の変化を捉える学びをスタートしました。

ここでは、それぞれの年齢ごとの発達の課題を捉えるために、自分たちの身の回りの人(家族や親戚や学校のスタッフやお友達)にインタビューを行いました。そして、それぞれの発達の課題となること事実を集めて、一般化していく学習を行っていきます。

・それぞれの発達段階の人へのインタビュー

▼ インタビュー項目

◎ ポジティブな感情の側面

Q. 嬉しかったこと/楽しかったこと/成長したこと/得たこと

◎ ネガティブな感情の側面

Q. 大変だったこと/悲しかったこと /悩んだこと/怒ったこと

子どもたちは冬休み期間を活用して、親戚の方や家族にインタビューを通して教科書の一般化された知識ではなく、自分で情報をリサーチして、それぞれの年齢ごとに大変なことや嬉しいこともあることを一次情報を掴むことができたのではないでしょうか?

・インタビュー結果で分かったこと(事実)を集める

1人でリサーチした情報だけでは事実が少ないので、クラス全体で情報を集めることで、一般化していく準備をしていきました。また、日本人の先生だけでなく、外国人の先生にも土日にインタビューを行う生徒も出てきて、日本人だけでなく人間の発達段階として広く情報を集めることができました。

実際に情報を集めると、発達段階によって情報の偏りがあるので、改めて役割分担を行い追加インタビューを行っていきました。学校にはプレスクールから中等部まであるので、ステージ5までは児童生徒にインタビューを行い、ステージ6から8までは学校の先生やスタッフにインタビューをすることで追加の情報を得ることができました。

フォーカスするスキルとしては、自分たちでインタビューのアポイントを取り、それぞれ時間になるとインタビューを通して情報を集めることができました。自分たちでインタビューをすることで、社会に出て必要な、相手のことを考えながらアポイントを取り、アポイントの日時になったらインタビューに行くマネジメントスキルも実践を通して学ことができています。

・インタビューで集めた情報を元に一般化していく

そして、いよいよ集めた情報を元にそれぞれの発達段階で共通する課題(乗り越えるべき課題)と危機(大変なこと)を一般化していきます。情報を整理してみると、今の自分たちのステージと比較しても異なる乗り越えるべき課題があることに気付いていました。この学習を通して「これから起こりうる変化に対して準備をすることで適応することができる。」ことを理解するために、まずはそれぞれのステージで異なる課題があり、乗り越えることで次のステージに行くことができることを感じてもらえたらと思っています。

子どもたちはそれぞれのステージでの「乗り越えるべき課題」について、インタビューで出てきた言葉から一般化をしていきました。

◎ ステージごとの「乗り越えるべき課題」

ステージ1...「生きるために必要なこと」

ステージ4...「将来(18-20歳)で必要なこと」

ステージ6...「将来のために必要なこと」

同じような意味合いでも、ステージごとにある違いに着目をしていきました。

◎ 子どもたちの気づきとして出てきたこと

・人は、危機(大変なこと)と出会って、乗り越えるべき課題を乗り越えることを繰り返して大人になるのではないか。

・人は、ステージ7に入る頃から成長しなくなることを聞いたときに、だから老人ホームとかサポートするためのものがあるのではないか。

・今の課題は、そのときは乗り越えられているかどうかわからない。

▼ ステージ1-2

▼ ステージ3-4

▼ ステージ5-6

▼ ステージ7-8

ここでは、精神的な変化に着目をしてきたので、次の探究の流れでは、身体の変化にフォーカスして探究を進めていきます。思春期を迎え始めた子どもたちにとって「身体の変化」は感じており、教室にある「身体の変化」についての本を手に取って一人で読んでいる姿も見られ始めました。では、なぜ身体の変化や心の変化が起きるのかについて「ホルモン」をトピックに紐解いていきます。

子どもたちの探究は続いていきます。