Unit1 WEEK4 国会と内閣と裁判所の私たちの暮らしとの繋がりって?
Unit1 政治は市民生活に影響する
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国会の役割
国会についてリサーチを始める前の子どもたちとの対話の時間の中で「市議会と同じように国でも会議が行われていそう。」「国議会っていうのかな?」「市議会議員と同じように国議会議員というのがありそう。」というように、市議会の考え方を応用して考えている子どもたちの姿も見られました。
そして、国会について役割についてリサーチを進める子どもたち。そして国会の収入に多くの消費税が財源になっている金額を見て驚く子どもたち。その一方で、金額を見てもピンとこない様子の子どもたち。
ここで、小学4年生の算数の学習指導要領の範囲である大きな数(億や兆)について学ぶ必要性が出てきました。
国際バカロレアのPYPのカリキュラムでは、数学を探究しているユニット(実社会に起きていること)と重ねながら学ぶことを大切にしており、数字があることでぼんやりとしていたものがクリアになる良さや、世の中を数学的な見方を働かせて見ることができる子どもを育てることを大切にしています。
億や兆について学習した後に国の予算を見ると、国で働く人がとても大きな金額をみんなのために使う予算の計画を立てて、実行しているのかを知り「国で働くには、数学がめっちゃ必要じゃん。」と言って、国で働くことの大変さや難しさを感じている子どももいました。
探究のリサーチが進み、国会が予算を立てることを学んだ子どもたちは、実際に国会が立てた予算に基づいて誰が実行しているのかを疑問にもつ子どもも出てきました。そこから「内閣」の学習に自然につながっていきました。
内閣の役割
「内閣」についての学習では、12名の子どもたちそれぞれに、異なる大臣(外務大臣、文部科学大臣、厚生労働大臣etc...)を選んでもらい、それぞれの大臣(省庁)が行っている仕事についてまとめた後、来年度の計画と予算について考えてもらい、模擬閣議を行いました。
実際の会議では、大きく昨年度の予算を上回り「もし予算を超えてしまった場合にどのようにして話し合いで決めるのか?」そんな疑問も生まれていました。
裁判所の役割
国会と内閣について学習していると子どもたちは「裁判所」という言葉も一緒に見かけるようになります。裁判所については、刑事ドラマで見たり、実際に交通ルールを破ると罰金等の仕組みがあることを何となく知っている子どもたちもいました。
そして裁判所に行く前に、裁判所の法定にも置かれている「六法」について知るために「子ども六法すごろく」を事前に行い、法律について学んで実際の裁判所の法廷の見学を行いました。
実際の裁判では「無免許で飲酒運転を行なった被告人の刑事裁判」の法廷見学を行いました。小学4年生にとって、実際に社会の中で法律を破った時に、裁判で裁かれる様子を見て色々なことを感じ取ったのではないかなと思います。
▼ 裁判の傍聴見学後に子どもたちが感じていたこと
"分からない言葉がたくさんあった!"
"なんか、ちょっと緊張した"
"18歳で裁判員に選ばれたらちょっと怖いなぁ"
"質問されてちゃんと答えられてすごいと思った。自分だったら何も答えられないかもしれない"
"ちゃんと反省してるように見えた"
"裁判が2回目ということはちゃんと反省しているのかな?"
"将来運転するのが怖くなった"
"お酒も怖いなぁ"
"悪いと分かっていても間違ってしてしまうことって自分もあるなぁ。だから、親は自分たちを怒るのかもしれない"
"検察官の人がちょっと言い方が強かった"
"裁判を最後まで見たかった"
"次は2つの立場で争っている裁判を見てみたい"
そして、裁判所の役割について振り返りを行なった後に、子どもたちから実際に模擬裁判をやってみたいという提案がありました。
模擬裁判(原稿リンク)では、12人それぞれに役割が与えられ、2日間に渡り裁判が行われました。検察官と弁護人は実際に裁判に必要となる証拠となるものを準備し、法廷が開かれました。
▼模擬裁判後に子どもたちが感じていたこと
・裁判官
▷どちらにも証拠があり判決を下すのが難しかった
*有罪判決を下した後に2日間落ち込んでいた後日談もありました。
・弁護士
▷弁護士の役割は、被告人(無罪かもしれない)を守ることであり、証拠を集めることはとても難しいことを知った
・証人
▷今回は自分たちだけで裁判に戦ったけど、次は弁護士の力を借りようと思う。
・被告人
▷裁判に負けて悔しかったけど、次は高等裁判所で裁判では勝ちたい。
模擬裁判を通して、
・模擬裁判をきっかけに本当の争いが生まれ、自分たちでは解決できない争いごとがあることを知り、だからこそ裁判所があること。
・検察官と弁護士の動き(証拠)次第で裁判の結果に影響を与えること。
・裁判所の判決が人の人生に与えることへの責任の重さ。
裁判の仕組みや役割、影響についてリアルに体感した模擬裁判になったのではないかなと思います。
税金の役割
最後のフィールドワークで訪れたのは「税務署」になります。
「正直、みなさんは税金を払いたいですか?」という税務署の職員の問いかけに、大人も子どもも「正直払いたくないな〜」という素直な気持ちから学習が始まりました。
しかし、税務署で税の役割を学ぶことで徐々に考え方が変わっていく子どもたちの姿を感じました。「もしも税金がなかったら…」
実際に税金のない世界を想像することで身の回りにあるみんなのもの(道路、信号機、公園等)や、みんなのためにある仕事(消防、救急、警察等)が税金でまかなわれることを知り始めます。
フィールドワークの最後で改めて税務職員の方から「税金はきちんと払うべきだと思う人?」という問いかけに全員の手が上がりました。実際に税務署のいろいろな部署を周り、働く人の生の声を聞くことで「税金の役割」を体感する1日になったのではないでしょうか?
*子どもたちと一緒に見た税に関する動画(リンク)
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