フィンランドの学校に行こう!

フィンランドの教育を通して日本の教育を見つめ直す。

フィンランドGTP第2弾 フィンランドの専門学校訪問 DAY6

本日は、フィンランドの専門学校を視察しました。

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0. フィンランドの専門学校の担っている役割

・10年生の教育

フィンランドでは、義務教育9年間を終えた後に、1年間学び直しや自分の進路について考える時間があります。これは、日本でいう浪人というような感覚ではなく、「自分がしたいこと」「自分が進みたい道」がまだ決まっていない時に、ゆっくり考える時間として捉えられています。

・移民の教育

フィンランドでは、外国から移民や難民の受け入れを行なっています。人口の少ないフィンランドでは、移民の方も貴重な人材であると捉えられています。移民の教育に力を入れている理由は、納税者を増やすという目的があります。実際に、移民のクラスでは2年間で働ける人材育成を目標に言語教育を行なっています。

・職業専門学校

日本の専門学校との違いは、1つの専門学校で複数のコースを学ぶことができるという点です。更に、もし「自分のやりたいこと」が変わった時には、柔軟にコースの変更を行うことができるので、自分の「want」に向かって学び続けることができます。

・企業から委託された人材育成等

この専門学校では、企業からの委託で、新規雇用者の募集から面接、研修を行なっています。資金巡りとしては、企業から40%、政府から60%の資金を頂いて、業務を行なっております。

総括して言えることは、専門学校では「個人のwantを尊重しながら、フィンランド労働人口を増やす。」ために重要な役割を担っています。では、具体的に校長先生がどのような考えを持ち、どんな環境で学んでいるのかを見ていきましょう。

1. 環境にこだわった空間設計

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最近のフィンランドの学校建築の現状として、壁を無くしたオープンスペースの学校が増えてきています。「なぜ、オープンスペースの学校が増えてきているのか?」また、実際にオープンスペースの環境は上手く機能しているのか?実際に学校現場で働く先生と生徒の声をまとめていきたいと思います。

(先生の想い)

この学校では、壁ではなくカーテンで空間が仕切られているので、用途に応じて自由に空間を変えて学習することができます。例えば、人数に合わせて、簡単に教室の規模感を変えることができるので、無駄なく環境を使うことができます。また、これからを生きる子どもたちに求められる「協同」する力を育むためには、壁のない空間は適していると話していました。壁をなくすことで、先生同士も授業中に協同が生まれ、子どもたちにも協同しやすい環境になると話していました。

(生徒の考え)

学校の環境は良くなりましたが、壁がないことで隣のクラスの授業の音が入り、集中することが少し難しくなっていると感じていました。

(現場の課題感)

ここで、課題として挙げられていることは、今のフィンランドの教科カリキュラムには、壁がない教室環境の空間があっているのかどうかということです。2020年から、フィンランドの高校・専門学校では、教科カリキュラムが廃止されて、教科を横断して学ぶ「クロスカリキュラム」に移行していきます。今の現状としては、ハード面の改革が先に行われて、ソフト面の改革が少し追いついていない現状を現場の先生が感じていました。

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このように教室が、必ずしも壁で囲まれた空間ではなく、カーテンで仕切られてた空間になっていました。

2. 校長先生のお話

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専門学校の校長先生の話がとても印象的だったので、シェアしたいと思います。

(若者のキャリア感の変化に関するエピソード)

これは、校長先生の知っている人の実際のお話です。この男の子は、学校を出てまずは就職をしました。しかし、ある時、仕事の長期休みを使って海外旅行に出かけました。すると、彼の心の中に変化が生まれ、仕事を辞めて「自分の好きなこと」に時間を使う人生の価値に気づきました。

このエピソードから校長先生が今のフィンランドの社会に感じたことは、幸せの価値観が変わってきているということです。

(数十年前の幸せの価値観)

① 仕事に就く

② 結婚する

③ 子どもが生まれる

④ 家を買う

⑤ 60歳で引退

 いわゆる、私たちの親世代が子どもに求めているような人生のロールモデルです。しかし、今の若者は数十年前の幸せの価値観から少しずつ変化してきていると感じていました。

(変わりつつある幸せの価値観)

自分のしたいことを、仕事にしていく。働くことだけが、幸せではないということ。

 校長先生は、この価値観の変化も尊重しつつ、少しこれからの社会に対して不安を感じていました。フィンランドは、人口が500万人の小さな国であるので、若者が地域や国から出ていくことに不安を感じていました。フィンランドも日本と同じように少子高齢化が進んでおり、労働人口を増やしていく課題がありました。そこで、フィンランドの専門学校では、幅広く職業に就くための機能・役割が備わっていました。

 

結論として、フィンランドのと日本には、社会全体として共通の課題があることが伝わってきました。これからのフィンランドの社会情勢にも注目していきたいと思いました。

 

明日はいよいよフィンランドの小学校での日本文化のワークショップが行われます。小学校の先生も子どもたちもこの日をずっと楽しみにしてきました。どんな1日になるのかとても楽しみです。

 

本日のブログでは、「フィンランドの専門学校の幅広い役割」についてまとめてみました。

 

ここまで読んでいただき、有難うございました!

 

モイモイ!