フィンランドの学校に行こう!

フィンランドの教育を通して日本の教育を見つめ直す。

フィンランドの学校紹介~幅広い機能を持つ専門学校紹介~

「幅広い機能を持つ専門学校の役割とは?」

 

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 (タイトル)

1.  専門学校概要

2.  専門学校の特徴

3.  終わりに

 

1.  専門学校概要

 

(専門学校の特長)

・中学を卒業した50%の生徒が通う職業専門学校

・職業資格専門学校、専門職業資格、上級職業資格を取得可能

・10年生の教育

・移民の教育

・119の資格を1つの学校で取得できる。

 

詳細ユーチューブはこちらです。↓↓↓


Ylä-Savon ammattiopisto esittely

 

2.  専門学校の特徴

 

専門学校の理事の先生との質疑応答の内容をまとめてみました。

 

① 生涯学習機関としての機能(学費について)

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専門学校では、16歳から60歳までの人が同じ教室で学んでいることもあります。何歳になっても学び直せる環境や価値観があるのがとても魅力だと感じました。

また、学費に関しては、何歳から有料とかいう決まりはないですが、

 1)大学生と同じ年齢の場合・・・無料

 2)成人していて、就職していない・・・無料

 3)少ない所得・・・安い学費(給与に応じて金額が定まる

 4)働いている・・・働きながら資格を取り、次のキャリアに進む

この4番目の大人になっても、働きながら資格を取り、学び続けるのが素敵だと思いました。ここで面白いデータを1つ紹介します。(労働政策研究・研修機構(JILPT)より引用)

フィンランドの若年者と成人は熱心な学習者である。20 歳~29 歳の 42%および 30 歳 ~34 歳の 15%が教育に参加している。この二つの数字は、明らかに OECD で最も高い。 この数字は、優れた教育を受けたいというフィンランド人の願望と、確固とした成人教育制度を反映している。成人全般の教育・訓練への参加は高レベルにあり、2013 年に行れた EU 労働力調査では、人口のほぼ 4 分の 1 が調査前月に教育・訓練に参加していたと報告している(EU28 カ国は 10.5%)。

この「ゼロヒャク教科書」が実現しているのがフィンランドの社会です。

educationxfinland.hatenablog.com

 

 

② コースの選択について

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フィンランドの専門学校では、進学後もコースを柔軟に変更することができます。例えば、最初はヘアーデザインのコースを専攻していたが、途中でビジネスのコースに移ることも可能です。この専門学校では100以上の資格が取れるため、進学後も「自分が何をしたいのか」と向き合いながら、進路を再選択することができます。

 

③ 先生と生徒の評価制度について

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・生徒の評価制度

専門学校では、個別にカリキュラムを作成しています。なので1000人の生徒がいれば、1000通りのカリキュラムが存在します。そして、評価方法なのですが、担当の先生が1人で評価をするのではなく、生徒を受け入れた企業の担当した人も生徒も評価します。

・先生の評価制度

先生の評価制度が存在します。生徒は先生を評価して、生徒のフィードバックに応じて改善のための会議も行われます。また、場合によっては担当の先生を変えることもあります。生徒の学びを第一に保証しているのが分かりました。

 

④ 移民の教育について

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フィンランドでは、移民、難民の受け入れを行っています。主にここに通っている生徒は、結婚してフィンランドに移住してきた人、難民としてフィンランドに来た人たちでした。フィンランド語を学ぶコースは大きく2つ(基礎と応用)ありました。

 (語学を学ぶ目的)

・移住してきた人も語学を習得して、働けるようにするため(納税者の育成)

・コミュニティを形成するため(ライフスタイルの充実)

語学を学ぶことで、その国で生きやすくなります。私自身も、これまでの経験から語学は「生きていくため」に学ぶのが一番の理由だと感じています。もし、その国の言語が話せなかったら、情報も入りにくく、あらゆるコミュニティに属することも難しくなります。語学を習得すれば、働くことも可能になります。フィンランドでは、移住してきた人も貴重な労働力として捉えており、無料で語学を学べる機会を提供していました。

 

⑤ 10年生の教育

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専門学校では10年生の受け入れも行っています。

(10年生とは?)

成績が不本意であったり、希望する高校に進学できなかった生徒が、自分の意志で10年生に進級することができます。最大で1年間在籍することができて、在籍期間は生徒自身が決めることが出来ます。10年生を終了した生徒は、職業専門学校では1年間飛び級が出来たり、普通高校に入学しても単位制のために早ければ2年で卒業が出来るので10年生をしても、不利になることはありません。

また、10年生の在籍期間に、職業専門学校の様々なコースを体験することが出来、自分の選択したいコースをゆっくり決められることも魅力の1つです。

日本で中学校に4年間通う生徒は、「落ちこぼれ」と感じるかもしれません。しかし、先生に聞いたところ、10年生は少しも恥ずかしいことではない、という話してくれました。

 

3.  終わりに

フィンランドの専門学校は多くの機能を果たしています。

・中学校卒業時に義務教育の学習を学べる場

・移民の大人が学ぶ場所

・再就職を検討している大人

・キャリアで次のステップに進む大人

この軸は「国の納税者を育てること」ために「life long learning」の基盤が整っていることです。フィンランドでは、実際に生活をしていて、国から福祉面で十分なサポートを国民一人一人が受けているので国の政治を信頼しているのだと思います。その中でも一番に実感しているのは子どもだと思います。「学びたい」と思えば、「どれだけでも学び直せる環境」があります。国が教育にお金を投資することで、国民の意識も変わり、国の政治に関心を持つ人も増えてくるのかもしれません。

 

明日はもう一つの専門学校を紹介していきます。

 

モイモイ!!!