フィンランドの学校紹介~幅広いコースを持つ専門学校紹介~
「フィンランドの専門学校の魅力と日本人から見た課題とは?」
本日はIisalmiという街にあるもう一つの専門学校について紹介していきたいと思います。前回のブログでは「多くの機能を持つ専門学校」について紹介をしました。ここの専門学校はフィンランド教育を支えているとも言えます。
気になった方は、前回のブログもチェックして見てください!
では、本日のタイトルはこんな感じです!
(タイトル)
1. 専門学校概要
2. 実際の授業
3.ここが「すごい!」フィンランドの専門学校!
1. 専門学校概要
詳細は以下のホームページをチェックしてみて下さい!!
https://www.ysao.fi/In-English
2. 実際の授業
こちらの専門学校には、大きく分けるとこのようなコースに分けられていました。
実際に私が見た授業の一部を紹介していきます。
❶ customer service and information management
生徒は授業の中でスーパーでよく見かける安売りの看板の文字の書き方を学んでいました。最初はうまく書けていません。先生も『練習を重ねるのみ!』と言っていました。
こちらは洋服店で働いた時を想定して、洋服の綺麗な畳み方を習っていました。
基本的な畳み方でしたが、男子生徒は結構苦戦していました。女子生徒は上手に畳んでいました。
専門学校同士の対抗戦に向けて文字の練習をしています。
❷ basic rule at working place
生徒は企業に申し込むための履歴書を書く練習をしていました。今はフィンランドはほとんど全てオンライン申請であり、更に動画で自分の紹介を行います。その後に面接がある流れです。日本ではリクルートのインターンが同じ方式を取っていました。
生徒は『将来のため』に必死で学んでいました。フィンランドの学校では、授業中に
寝ている生徒を見たことがありません。
3.ここが「すごい!」フィンランドの専門学校!
① 生徒の進路変更に柔軟に対応できる。
日本の専門学校では、入学前に生徒は自身がどのコースに進むのかを決め、一般的に3年間そのコースで学ばなければなりません。そのため、専門学校に進む人は、中学校終了時点で、自分の将来を定めなければなりません。
日本でも、中学生の時点で「将来の職業」を定めることは難しいです。そのため、幅広い選択肢を残すために7割以上の生徒が普通科の高校に進学します。
しかし、フィンランドでは生徒は入学後に「自分の学びたいこと」と「今受けているコース」が合っていないと判断したら、先生と相談して、柔軟にコースを変えることができます。また、「3年で卒業」という考え方もないので、生徒が自分のペースで自分のやりたいことを探しながら学ぶことができます。
「なぜ、こんなにも柔軟に生徒に合わせて対応できるのか?」
1)国からの補助金制度×学費が無料
2)フィンランドの教員全体で「学校は子どもが幸せになる場所」という認識
3)国民全体で「次の納税者」を育てるとという認識
「好きこそ物の上手なれ」ということわざが日本にもあるように、フィンランドの人は、自分の仕事が「好き」で、更に「誇り」を持っているように感じました。そのためには、自分が「本当にしたいこと」と向き合える時間や「何度もでも学び直せる」場所(学校)が必要です。多くの予算が必要ですが、「個人の幸せ」を尊重している国のあり方は素敵だと思いました。
「個人」が幸せになることで、「国全体」も幸せになっていく
「フィンランドが幸福度世界一」と呼ばれている理由の一つだと思います。
② 生徒に実践的な職業訓練の機会を提供し、職業選択を与える役割。
専門学校では、多くの時間を学校外での「実習」を通して学びます。
1年生は1週間の中で週に2回は地域の学校や会社で実習(job training)を行います。
2,3年生になると、その頻度は更に上がります。
また英語の授業では、現場(仕事)で用いる表現を中心に学び、試験も現場で用いる重要な表現を中心に学んでいます。
「なぜ、専門学校では、職業に合わせて英語の習う表現を変えているのか?」
フィンランドでは移民が多く、移民の人とも一緒に働くので、語学は必要なスキルの1つです。語学が話せないと、それだけで働く上で不利になると考えられています。日本では語学が話せるだけで少し有利になります。ここでは、語学は話せて当たり前の世界です。
「専門学校を卒業した後の進路はどうなるのか?」
殆どの生徒は「一度」職に就きます。
「どのようにして就職先を探すのか?」
「2,3年次に実習を行った会社に入社するのが一般的です。2年間実習を行っているので信頼関係もできています。」
専門学校と企業の密な連携、そして会社での実習時間が長いため、入社後のギャップも少なく、日本のように入社してすぐ辞めてしまうリスクも減ります。日本で専門学校と聞くと、「一部の夢や目標が決まっている人がいく」というイメージでした。一方フィンランドでは、「自分のやりたいことを探したり、学べる」場所です。もちろん、専門学校を卒業して大学に入ることも可能です。専門学校は「個人」や「社会」に対して、とても重要な役割を果たしていることに気付きました。
③ 競争ではなく協働
実は、この専門学校は前回のブログで紹介した専門学校の隣に位置しています。日本だと、学校間では「競争」が生まれます。ここでは「協働」を大切にしていました。生徒の人数に応じて、国から入る予算も変わってくるので、学校間では生徒の獲得をめぐり「競争」が生じそうですが、まるで同じ管轄の学校のように「協働」していました。 実際にコースを見てみると、上手く役割を分担していまいした。
2つの専門学校は、お互いに持っていない部分を補っていました。この考え方にも共感しました。おまけですが、オランダは子どもの幸福度が世界一ですが、かなり激しい学校間の競争があります。「競争」か「協力」か?正解はないと思います。
明日は、最後ヘルシンキ附属学校についてまとめます!
モイモイ!!!