フィンランドの学校に行こう!

フィンランドの教育を通して日本の教育を見つめ直す。

居場所から探究的な学び場への道のり

2020年にフィンランドの教育現場で働き、日本に戻ってきて4年目を迎えました。

沖永良部島上空

フィンランドで暮らす中で感じたのは、もしかすると日本の離島に魅力的な教育資源があるのではないかという仮説が生まれました。そして縁あって日本に帰ってきてからの3年間は、沖永良部島で地域おこし協力隊として活動を行なっていました。

 

フィンランドでの学びを日本の社会で、行政、学校、地域と協働しながら子どもたちが"幸せな自立"を育める新しい教育の場をデザインしたい。」

 

かなり抽象的な問いをもち日本に戻りました。

 

沖永良部島での3年間では、学校教育課に所属しながら、民間で一般社団法人えらぶ手帖を前任の協力隊の方と立ち上げ、行政と協働しながら島留学の立ち上げと島の教育魅力化を学校や地域と協働を目指しながら行なってきました。

e.lab<みんなのおうち>

ここで詳しくは書きませんが、島の教育魅力化の軸は大きく2つありました。1つ目は子どもたちの居場所づくり。2つ目は子どもたちの探究的な学び場づくり。正直なところ、島で活動を始めての1年間は、フィンランドで学んだ教育の目的である「子どもたちが幸せな自立を育む」環境づくりのための一歩として私が考えていたのは、放課後や休日の居場所の中で多様な体験ができる機会を作りたいという漠然としたものでした。


フィンランドの社会に当たり前に存在していた小中高生のサードプレイス。私自身、フィンランド教育の魅力は、学校で誰もがその子に合った教育を受けられることに加え、社会の中に全ての子どもがアクセスできる居場所があることにも魅力を感じていました。


日本でのアクションを考えたときに、公教育という大きな構造を変えることに難しさを感じ、最初のアクションとしては、学校の外にある余白に目を向けました。

 

そして、居場所づくりの文脈では、日本財団子ども第三の居場所の事業とカタリバのユースセンター起業塾の助成事業の採択を受け小中高生の居場所づくりをスタートすることができました。

 

「誰もが自分らしくいられる」をコンセプトにしたe.lab<みんなのおうち>をオープンし、子どもたちが放課後の時間に少しずつ私たちが運営するサードプレイスにやってくるようになりました。

「子どもたち一人一人が幸せな自立を育める居場所をつくりたい。」


ミッションを具体的に考える中で「幸せな自立を育む」ための手段としての「探究的な学び」と出会うことになります。


島には、社会と繋がるきっかけとなる教育的資源が溢れていることに島で生活をしながら感じました。例えば、島と聞くと綺麗な砂浜を想像すると思いますが、特に冬のシーズンになると、北西の季節風の影響で島の北側の砂浜にはたくさんの海洋ゴミが漂着するのを目の当たりにします。

砂浜に漂着している海洋ゴミ

また、少子高齢化が進んでいるのを、島で暮らす中で肌で感じたりもしました。

今、日本や世界、地球が直面している社会の中にある課題を教科書の世界ではなく、実際に暮らしの中で感じる機会がたくさんあることに気づきました。


子どもたちは島で暮らす中で社会の中で起きているリアルな状況を体感しています。これからの時代を生き抜くために必要な「生きる力」を豊かな自然環境に恵まれた沖永良部島では、たくさんの地域の方に見守られながら育まれるのではないかなと考えるようになりました。

「探究的な学びはどのようにデザインできるのか?」様々な教育メソッドがたくさんある中で、私たちは国際バカロレアのPYPのカリキュラムの作り方の考え方を参考にしながら探究プログラムの開発と実践を少しずつ行い始めました。


島で居場所づくりの一歩を踏み出し、居場所の機能に探究的な学びの機能を自然に組み込むことはできないのか?というミッションが現れました。


「探究ってどんな場であると生まれるのだろう?」
「探究における大人の役割ってなんだろう?」
「探究のカリキュラムはどこまでデザインするとよいのか?」

今は、探究を探究するために国際バカロレア認定校で小学部での担任と

中等部での数学の授業を担当しています。

 

「探究はどのように生まれるのか?」

「子どもたちが幸せな自立を育める教育ってどんな教育なのか?」

 

少しずつ日々の実践や葛藤をリフレクションするようなカタチで共有していけたらと思います。

 

ここまで読んでくださりありがとうございました。