一人一人に配慮したフィンランドの教室環境を公開
フィンランドでは、一人一人に合わせた学習環境が整っていると言われているけど、実際に子どもたちはどのような環境で学んでいるの?
本日のブログでは、フィンランドの教室環境について、写真(15枚)をたっぷりと使いながら、とにかく分かりやすく説明していきたいと思います。
では、早速フィンランドの教室を覗いてみましょう!!!
▼Youtubeでもフィンランドの合理的配慮についてまとめています。
- 1. 少人数規模の教室
- 2. スクール形式ではなく、サークル形式に机の配置
- 3. 休める空間
- 4. バランスボールやバランスチェアー
- 5. 教室にある一人の空間
- 6. 聴覚過敏の子のためのイアーマスク
- 7. 視覚的に分かりやすい時間割
- 8. ICT環境の整備
- 9. 廊下も学びの環境にの一つ
1. 少人数規模の教室
フィンランドの教室の平均的な生徒数は多くても20人程度です。フィンランドの先生は、一人一人をみるのに、20人でも多いと話をしています。一人一人と向き合うこと、空間的なスペースにゆとりを持たせるために、20人の規模感のクラスになっています。
2. スクール形式ではなく、サークル形式に机の配置
*空間にこだわった新設の小学校の写真
*五角形の机を取り入れた、小学校の教室
フィンランドの教室で大切にしていることは、「安心感」がキーワードになります。フィンランドの教室で多く見られるのは、サークル形式で学ぶ時間です。もちろん、毎回サークル形式で学んでいるのではないのですが、子どもたち同士が学びながら、お互いの表情が見れるように、サークルで話す時間が多く設けられています。
3. 休める空間
教室の後ろにソファーが置いてある小学校6年生の教室
大きなクッションが置いてある小学4年生の教室
教室の後ろにマットが敷いてある小学3年生の教室
このように、同じ学校ではあるのですが、どのクラスにも落ち着いて休まる空間が教室の中に作られていました。子どもたちは、自分が学びやすい環境を選んで教室で学んでいます。日本で導入すると、子ども同士の喧嘩が起きるのではないか?授業をサボる子が出てくるのではないか?悪い姿勢での勉強は良くないのではないか?色々な声が聞こえてきそうです。
「なぜ、フィンランドの教室には、このように休める空間が置いてあるのか?」
A. クラスの中には、ADHDの子や多動性のある子も一緒に学んでいます。
「この子たちにとって、同じ机でじっと座っておくことは、私たちが長距離マラソンをずっと授業中に走りながら学んでいることと同じようなこと。このような環境の中で、学ぶことは難しいと思います。一人一人にとって学びやすい環境は異なります。子ども自身が学びやすい環境を学校で見つけることで、自分で環境を選んで学べることも大切な療育の一つです。」
4. バランスボールやバランスチェアー
*椅子の代わりに置いてあるバランスボール小学校高学年の教室
*バランスチェアーが並ぶ小学校高学年の教室
最近フィンランドの教室では、バランスボールやバランスチェアーが教室に置かれています。理由を先生に聞いて見ました。
A1. 運動しながら学ぶことで、脳に刺激が生き、学習効率が上がる
フィンランドの最新の学習指導要領に、子どもたちは学校で毎日1時間は運動をする時間を取り入れるように推奨されています。そこで、授業のはじめに、簡単な運動の時間が取り入れられたり、バランスチェアーを導入することで、日常的に運動するきっかけが生活の中に溶け込んでいました。
A2. 多動性の子にとって、バランスチェアーに座ることで集中ができる
これも、フィンランドが一人一人と向き合ってきたからこそ、生まれた多動性のある子が集中できる椅子になる手段の一つです。椅子に同じ姿勢で座れなかった子どもが、バランスチェーの上では、集中して学ぶ姿が見られる事例もあります。もちろん、一人一人によって学びやすい環境は異なるのですが、バランスチェアーと多動性の子の相性がいいのは、先生ではなく、子ども自身で発見していました。
5. 教室にある一人の空間
1枚の壁で仕切りを作った子どもの学ぶ環境。
2枚の壁で仕切りを作った子どもの学ぶ環境。
このように、子どもの中には周りの視覚情報が注意散漫になることがあります。そこで、壁を作ることで、落ち着いてその子にとって学ぶ環境が作られていました。
6. 聴覚過敏の子のためのイアーマスク
教室を見渡してみると、机の上にイアーマスクが置いてあることそうでない子がいるのが分かります。この写真1枚にも、一人一人にとって学びやすい環境が異なることが伝わってくると思います。私たちにとって気にならない音も、聴覚過敏の子にとっては、何倍もの雑音になります。
ここまで一人一人に配慮するには、先生自身の特別支援の知識が必要になります。
7. 視覚的に分かりやすい時間割
*午前と午後で区切られている時間割
*文字ではなく、絵で表示されている時間割
このように、全ての子どもにとって理解しやすいように配慮されていました。
8. ICT環境の整備
ICT環境が整備されていることで、教師は黒板に文字を書く手間が省かれます。また、適宜文字を大きくしたりできるので、授業準備も大幅にカットできます。先生の授業準備は、教材研究よりも学習環境を整備する役割があります。クラスの中には、習熟度の異なる子がいます。この子の学びを限られたリソースの中で、どのようにしてサポートしていくのかを考えることが先生の大きな役割です。
9. 廊下も学びの環境にの一つ
教室で集中できない時には、子どもたちはTAの先生と廊下や隣の教室で少人数の学習を行います。そして、落ち着いたら教室に戻ってくるようにしています。
本日は、一人一人に合わせた、子どもたちの教室環境を写真を通じて伝えてみました。
今後も、分かりやすく伝えるために、写真を多めにしたブログも更新していこうと思います。
いつも読んで下さり有難うございます。
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