フィンランドの学校に行こう!

フィンランドの教育を通して日本の教育を見つめ直す。

フィンランドGTP第2弾 フィンランドの新設の小学校訪問 DAY4

小学校訪問訪問2日目を迎えました。

本日訪れた小学校は、3年前に作られた新しい小学校です。

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▼この小学校の特徴について

この小学校は、森の中に位置しており、休み時間は森で遊ぶこともできます。夏はオリエンテーリング、冬はスキーと、森も遊びや学びの空間の一部になっています。生徒数は、各学年約20名(全校生徒約130名)です。この学校では、異年齢での学習を推奨しており、意図的に複式学級を取り入れています。また、建物はフィンランドでも珍しく、木で作られており、子どもたちが学びやすい空間づくりに拘ったつくりになっています。

このブログでは、私たち(15名)が実際に学校現場で見てきたエピソードを元にして、フィンランドの学校をイメージしていただけたらと思います。

この小学校では、プレスクールと小学校の建物が一緒になっています。一緒の建物の中にあることで、小学校の先生は、入学前に子どものことをよく「知る」ことができます。フィンランドには、このように学校間を繋ぎ、生徒が安心して学べるための工夫がたくさん行われています。先生が一人一人のことを知ることをとても大切にしています。

1. プレスクールの先生の魔法の言葉

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▼状況

プレスクールの子どもたちが小学校の校庭で遊んでいます。ふと、地面を見てみるといくつかのゴミが落ちています。ゴミは落ちていますが、先生は何も言いません。そこで、担任の先生に次の質問を投げかけてみました。「ゴミが落ちていているけど、先生はどうして拾わないんですか?或いは、子どもたちに何か伝えないんですか?」この時に先生が発した言葉に先生たちがどんな思いを持って、子どもたちと向き合っているのかが伝わってきました。

「もしかしたら、このゴミは子どもたちが集めているかもしれないからね。もう少し、置いておくよ。」

先生たちは、常に大人の世界ではなく、子どもの世界まで目線をおろして子どもたちと向き合っていました。また、子どもたちの遊び方にもフィンランドの先生の思いが見られます。ここでは、先生と子どもが遊ぶのではなく、子ども同士で遊ぶ時間を大切にしていました。先生はあくまでも、子どもたちの遊びを見守っていました。

2. 校長先生の学校経営をする上での思い

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学校訪問の中で、校長先生に直接インタビューする機会をいただきました。インタビューの中で印象的だった内容をシェアしていきたいと思います。

Q1:子どもたちにどんな大人になって欲しいですか?

「子どもたちには、一番に幸せになって欲しいと思っています。具体的には、自立した大人になって欲しいと思っています。」

Q2:校長先生が学校運営をする上で大切にしていることは何ですか?

「私は、1番に対話を大切にしています。一つ一つの物事を決めるときに、先生との対話や子どもとの対話を大切にしています。例えば、遊具を決めるときは子どもにどんな遊具が欲しいのかを聞いたり、どんな授業をするのかも先生一人一人の考えを尊重しています。」

3. 特別支援の子どもの様子に関して

▼状況

クラスの中で、様々なニーズを持った子どもたちが一緒の空間の中で学習をしています。しかし、日本のように、特別支援の子どもが授業中に目立っていませんでした。どのようにして、1つの空間の中で、様々なニーズのある子どもの対応をしているのでしょうか?

例1 : じっと座っていることにストレスを感じる子

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バランスチェアーに座ることで、少し体を動かしながら授業を受けます。この椅子に座るには、体全体でバランスを取る必要があり、筋肉を動かすことで、授業に集中することができます。

例2 : 集団の中にストレスを感じる子や、周りの情報に注意が向いてしまう子

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教室の中に、周りの世界を閉ざすソファーも置かれています。このソファに座ることで、自分だけの世界に入ることができ、集団の中にストレスを感じる子どもも落ち着いて授業を一緒に受けることができます。

例3 : 学習に付いていけなくて、不安を感じている子ども

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もし、勉強が分からなくて、教室の中にいるのがきつくなったら、教室の近くにあるこういった個別の空間で個別の指導を受けることができます。そして、理解できたら、教室に戻るなどして、すぐに教室に戻れる環境を作っていました。

今回訪れたフィンランドの小学校の特徴は「ユニバーサルな学びの空間」の中で「一人一人の子どもを尊重した」授業を行なっていることです。先生も子どもにもゆとりがあるので、学校の雰囲気もとても落ち着いていました。

 

小学校視察を終えて、日本文化のワークショップで使うブルーベリーを摘むために森に行きました。

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フィンランドでは、誰もが自由に森の幸を楽しむことができました。森はフィンランドの人にとって生活の一部であり、癒しの空間です。30分で約3kgのベリーを摘みました。このベリーを使って、フィンランドの学校で染め物の授業を行います。金曜日のワークショップのレポートも楽しみにしていただけたらと思います。

 

本日のブログでは、「フィンランドの新設の小学校訪問」についてまとめてみました。

ここまで読んでいただき、有難うございました。

 

モイモイ