フィンランドの学校に行こう!

フィンランドの教育を通して日本の教育を見つめ直す。

北欧3か国の教室にある合理的配慮を比較

前回は、一人一人に配慮したフィンランドの教室環境についてまとめてみました。

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スウェーデンの小学校の教室の写真

フィンランドの教室の合理的配慮について実際の教室環境を以下のユーチューブから紹介しています!(^^


【☆必見☆フィンランドの教室環境】日本が目指すべき合理的配慮がされた教室環境

)

今、世界中でフィンランド教育に注目が浴びているのですが、実は他の国でも、一人一人に合わせた学習環境作りに力を入れている国が増えてきています。最近、2018年のPISAの結果が出たので、私の考えていることに触れながら、本題に入っていきたいと思います。

1. PISAの結果をどう捉えるのか?

さて、2018年のPISAの結果が出ました。

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「この結果を私たち日本人はどう捉えるのか。」
結果が出て、日本のメディアでは、ネガティブなニュースが多く流れていました。確かに、読解力の結果が下がっていることは事実なので、結果に対して現場で方向性を考えることは大切かもしれません。

この結果を、私たちが国に責任を求めるのではなく、目の前の子どもと向き合う学校現場が考えるべき問いであり、国は現場では変えられない、もっと違う視点に目を向けるべきだと考えています。

例えば、私たちが注目しているフィンランドやオランダの比較すると、PISAの学力結果では、好成績を納めています。

「では、私たちは日本人はどんな教育を求めているのでしょうか?」

学力なら、もう結果は出ています。でも、メディアではネガティブに捉えられています。私たちは今の教育の「何か」に納得していないんだと思います。

その「何か」をPISAの結果の一部(読解力の低下)に注目するのではなく、私たちが目を向けるべき重要なことがあるような気がします。

私達は、学力よりも大切なものがあると気づいているから、フィンランドやオランダの教育に着目しているのではないでしょうか?

今回のブログでは、子どもの幸福度が世界一のオランダの小学校現場の教室環境、そしてフィンランドの隣の国であるスウェーデンの教室環境についても紹介していきます。

 その中で、私たち日本の教育が向かっていくヒントを感じてもらえたらと思います。

 2. 子どもの幸福度の高い教室紹介

1. オランダの教室

この小学校では、イエナプラン教育を取り入れた学校運営を行なっています。イエナプランとは、異年齢集団で構成される、オルタナティブ教育のことです。もし、イエナプラン教育について気になる方は、こちらの動画をご覧ください。


教育先進国 オランダ 驚きの教育法 イエナプラン

さて、早速オランダの学校現場にある一人一人に配慮した学習環境を見ていきましょう。

① 毎日のサークル対話

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イエナプラン 実践校では、毎日サークル対話が行われます。

「なぜ、サークル対話が行われるのか?」

サークル対話は、異年齢のグループの中で行われます。そして、様々なテーマで行われるのですが、大切にしていることは「一人一人が過ごしやすい空間を、一緒に創っていくこと。」です。毎日のサークル対話で、子ども同士の中で、相手を理解する心が育まれ、授業の中で学び合いが生まれていました。このサークル対話は、自分の意見を持つことだけでなく、相手を理解し、安心感の生まれるクラスを作る上でも大切な役割がありました。

② 視覚的な時間割

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これは、イエナプランの幼稚園の年齢のクラスにあった時間割です。遊びの時間に、複数のグループに分かれて遊ぶのですが、一目で、どこの空間が空いているのかが分かります。このように誰もが学びやすい環境が作られていました。

③ 病気で学校に来れない子も授業に参加

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机の上にあったこちらの機械。子どもたちに尋ねると「この子は、体が弱くて週に半分しか学校に来れないの。こんなことが好きで〜。早くオンラインにならないかな。」子どもたちが、相手のことを理解しているのが伝わってきました。子どもが自立して学ぶことを大切にしているので、自然と子ども同士の学び合いが生まれ、相手を理解し、助ける心が育まれているのを感じました。

④ 学び合いと自由進路学習

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イエナプランでは、自由進路学習が取り入れられています。子どもたちは、毎週決められた1週間のタスクを、計画を立てて、自分で学習を進めていきます。もちろん、学ぶ環境も、空間が空いていれば集中できる環境で、学ぶことができます。ある子は、一人で学び、ある子は友達と学んでいます。

▼子どもたちの時間割

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もし、分からない問題が出てきたらどうするのか?

① 自分で解く→分からない

② 友達に聞く→分からない

③ 先生に聞く

多くの場合は、異年齢の学習集団で構成されているので、下学年の子が上学年の子に質問して、教えてあげている姿が日常的に見られます。学び合いを行う中で、質問が出来ない子も中にはいます。その時に助けになるのが、このアイテムです。

▼学び合いを助けるアイテム

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 :集中しているから助けられない

黄色:今助けている、一緒に学んでいる

 :今助けられるよ

❓  :質問があるよ

このアイテムがあることで、自然に学び合いが生まれていました。是非、日本の小学校でも、学び合いの導入を考えている学級で取り入れられるのではないでしょうか? 

 ⑤ イアーマスク

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聴覚過敏な子もいるので、各クラスには必ずイアーマスクが置かれていました。本人も、周りの子もお互いに理解することで、学びやすい空間が生まれていました。


2. スウェーデンの教室

スウェーデンでは、学校選択制を取り入れています。しかし、オランダの学校選択制とは少し異なります。詳しく知りたい方は、こちらのブログを読んで頂けたらと思います。

① リラックスする空間も教室の中に

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スウェーデンの学校でも、教室の中に落ち着く空間作りが大切にされていました。机の配置も、常に「学び合い」が行いやすい環境が作られていました。子ども一人一人にとって学びやすい環境は異なります。

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机が講義形式になることは殆どありません。

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教室の後ろにあるリラックスできる空間。寝転びながらの方が集中できる子、バランスチェアーの上が集中できる子、個別の空間が集中できる子等

一人一人が学びやすい環境作りを突き詰めていった結果、学びやすい環境が教室の中に生まれてきました。

② さり気なくある合理的配慮

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授業中に落ち着かなくて、足が動く子って教室にいると思います。そこで、椅子の下にある仕掛けを。このゴム一つで、子どもは少しずつ授業中に足を激しく動かすことが減ってきたみたいです。

3. フィンランドの教室

フィンランドの教室環境に関しては、こちらのブログでご紹介しました。是非ご覧いただけたらと思います。

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 3. 最後に

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本日のブログでは、フィンランドに加えて、オランダとスウェーデンの教室の紹介を行いました。PISA学力では、この3カ国の中でも、トップの成績を納めた日本。でも、多くの人が日本の教育に違和感を感じているのではないでしょうか?

「私たちは、何に違和感を感じているのでしょうか?」

少子化が進む日本。

それに逆行して、学校に通えない不登校の子どもの増加等。

先生の増え続ける業務量。

今こそ、国が一人一人の人間に投資をする時代が来ているのではないでしょうか?

フィンランドでは、20年前に失業率が20%を超えたところで、国を立て直すために大きな教育改革が行われました。

まずは、日本でも、子どもや先生が学びやすい・働きやすい環境が広がっていくといいなと思いました。

 

本日は、一人一人に合わせた、子どもたちの教室環境を、フィンランドに加えて、オランダとスウェーデンの教室の写真を紹介しました。

 

いつも読んで下さり有難うございます。

 

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