フィンランドでの先生ライフスタート
いよいよ、6ヶ月間のフィンランドで先生としての生活が始まりました。1週間に1回は、私の学校現場での学びと気づきを発信していきたいと思います。
今回のテーマは「幸せ」です。
*私が勤める学校の職員室
1週間フィンランドの学校現場で実際に働き、「どうしてフィンランドの人は幸福度が高いのか。」について考えてみました。私自身も、1週間学校現場で勤めて、今の生活に「幸せ」を感じています。「なぜ、私は「幸せ」を感じているのか?」
今回のブログでは、「幸せ」について考えていきたいと思います。
1. 「幸せ」とは
私は、実際に現地の先生に「幸せ」について質問をしてみました。
質問 ①「今あなたは、先生という仕事に幸せを感じていますか?」
職員室で働いている多くの先生は、今の先生としての仕事に幸せを感じていました。
▼ 印象深かった先生の回答はこちらです。
「私は、今の先生としての仕事に満足しています。なぜなら、自分が好きなことを仕事にできているからです。私は、子どもが好きで、そして自分が好きなことを、毎日子どもたちと一緒に学べて、毎日が楽しいです。」
質問 ②「あなたにとっての幸せとは何ですか?」
多くの先生が、家族との時間や自分が好きなことをしている時間、自然、夏という回答をしていました。先生も、人間であり、仕事だけが人生ではありません。先生は、15時には退社し、そこからは家族の時間や自分の好きなことができる時間が始まります。
2. 子どもの幸せ
私は、フィンランドの子どもの幸福度が高い理由は、「安心」と「尊重」が第一にくると感じています。なぜ、そう感じたのかを、フィンランドでのホームステイと学校現場での先生(大人)と子どものやり取りを見て感じたことをまとめてみました。
1. 「should」→「Do you want〜?」
これは、あるフィンランドの校長先生の家で過ごしていた時での出来事です。校長先生には、2歳と6歳と10歳の子どもがいます。この日は、日曜日ということで、湖の近くにあるサマーコテージに行きました。いざ、サマーコテージに出発するとき、校長先生は一人一人の子どもに尋ねます。
「今日はサマーコテージに行くけど、一緒に行きたい?それとも家で過ごす?」
子どもたちは、一人一人答えます。「行きたい。」「今日はいいかな。」校長先生であるお父さんは、一人一人の子どもの意思を尊重して、物事をいつも決めています。これにより、子どもたちは、自分という人間が尊重されていることを感じて、自分の意思で物事を考える習慣がついていくのかなと感じました。
2. 「why〜?」→「How〜?」
これから、日本語のコースを持つにあたり、生徒指導に関して、フィンランドの先生に質問してみました。
Q:「フィンランドの先生って怒鳴ることってあるんですか?」
A:「怒鳴ることは、殆どないよね。うんうん(周りの先生との共感)」
Q:「例えば、授業中に生徒が寝ていたら?」
A:「Just asking’’Why are you sleepy?(With smile)’’」
先生は続けます。生徒が眠っているのにも必ず何か理由があります。
・夜しっかり寝ていない。
・授業がわからない。
・何か不安がある。
眠っているのも、生徒からの信号なので、まずは質問してみます。ここでの生徒の回答をまずは、受け止めてあげることが大切です。生徒は、自分の意思がちゃんと受け止められているのを感じることができます。時間はかかりますが、少しずつ生徒も変わっていくと信じています。
3. 「We decided it! 」→「Is it OK?」
私が、日本語の時間割を作成するにあたり、校長先生は生徒に何度も確認を取っていました。日本だと、生徒の時間割を見て、「この日に日本語の授業をするので、空けておいて下さい。」と一方的な伝達になりがちですが、フィンランドでは異なりました。生徒に、空いている時間を聞いて、「この時間で日本語の授業をするけど大丈夫かな?」と丁寧に意思決定をしていました。このスタンスで、生徒と向き合っていると、生徒が授業に関する意思表示の高さにも違いが見られました。
校長先生が「いつが都合がいいですか?」とメールを送ると、生徒は100%の確率で返信を24時間以内に行なっていました。これは、選挙の投票率に似ていて、自分の意見が反映されると生徒は感じているので、先生が生徒に意思決定を促すと、生徒はすぐに回答していました。自分の意見がしっかり尊重されていると感じることが大切だと校長先生は話します。当事者意識もこうやってゆっくり育まれていくと学びました。
3. 先生の幸せ
最後は先生の幸せです。校長先生の大事な仕事の一つは、「先生一人一人の幸せを考えること」だと、校長先生は話します。私もフィンランドで働き始めるにあたり、「働き方」という面で、自分の意思を取り入れてくれました。今回、フィンランドで先生として働く上で、自分が、ストレスフリーで「やりがい」を持って働ける理由についてまとめてみたいと思います。
1. 一人一人の働きかたを尊重する時間割
まずは、時間割作成においてですが、フィンランドでは生徒と先生の両方と相談しながら時間割を作ります。校長先生は私に尋ねます。「あなたは、6ヶ月で72時間の授業を行うんだけど、どんな働き方をしたいですか?」その上で、生徒とも相談をしながら時間割を決めていきます。もちろん、全ての人の意思をそのまま反映することはできないのですが、一人一人の意思を聞きながら「折り合い」をつけて物事が進んでいくので、納得した上でお互いに授業を行うことができます。
また、先生によっては、午前中勤務を望んでいる先生もいれば、フルタイムでの勤務を望んでいる先生もいます。一人一人のワークライフバランスが尊重されているので、「働きやすさ」からも先生は人気の職業になっています。
2. 授業の裁量権の高さ
先生として働くにあたり、最初に校長先生に言われた一言が、「教科書は何を使いたい?」そして、10文ぐらいで書かれた学習指導要領を翻訳して、「これに沿ってくれたら後は自由に教えて大丈夫だよ。」そして、評価に関しては「生徒と話し合いながら決めて大丈夫。」最後に「いつでも、分からないことがあったら相談してね。」フィンランドの先生の裁量権の高さに驚いた1週間でした。
(Key)
・教科書の選択
・学習指導要領の内容少ない
・評価方法も先生が決定
3. 7時間勤務
8時出勤の15時退社です。基本的に先生は授業以外の時間は教材準備に使えるので、比較的「ゆとり」を持って生活をすることができます。日本のように、デスクワークやクラブ活動の指導がないので、先生は授業づくりに専念することができます。
ここまで、この1週間で感じたことを「幸せ」をテーマにまとめてみました。
これから6ヶ月間のフィンランドでの教師生活の出来事をシェアしていくので楽しみにしていて下さいね。
モイモイ!!!
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