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フリースクール立ち上げに向けて始動〜「どんぐり自然学校」訪問〜

「沖永良部でのフリースクール立ち上げに向けて始動!!!」

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大学時代2度目の沖永良部にて「冬休み学習塾〜子どもの居場所〜」

いよいよ本日(2019年1月24日)から、今年度の4月からの沖永良部でのフリースクール立ち上げに向けて開始しました。そこで、本日は鹿児島市にある「どんぐり自然学校」というフリースクールを訪れました。園に入って10秒で「ここは子どもが安心できる居場所」だと確信しました。「子どもが安心できる居場所に必要なものとは何か?」

このブログの後半部分で発信していきたいと思います。

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(タイトル)

1.私がフリースクール立ち上げにかける思い

2.「どんぐり自然学校」について

3.これからの私が実現していきたいこと

 

1. 私のフリースクール立ち上げへの思い

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大学時代3度目の沖永良部にて「夏休み学習塾〜子どもの居場所〜」

1)沖永良部との出会い

私にとって沖永良部は「第2の故郷」と呼べる場所です。私が大学時代に3回以上足を運んだのは沖永良部カンボジアフィンランドの3つです。 この3箇所は私にとって本当に思い入れの強い場所です。思えば、私の教育の原点は沖永良部にありました。

私が初めて沖永良部を訪れたのは、大学2年のクリスマスの日でした。

「なぜ、クリスマスに沖永良部なのか?」

正直な理由は、「彼女がいなかったから。」です笑。

直前に彼女ができるかもしれないと思い、クリスマスの日をギリギリまで予定を空けていました。そんな時に私の携帯に1通のメールが沖永良部から届きました。「12月24日〜12月27日:冬休み学習塾講師募集」この1通のメールが私と沖永良部の出会いでした。この時の心境は、「クリスマスに彼女が出来きるかもしれない。」という儚い期待と、「将来学校現場で働くにあたり、島の子どもたちと関わってみたい」という真面目な気持ちの葛藤がありました。そして、ギリギリまで粘って、「今年は彼女を諦めた!」そして、クリスマスの日に沖永良部に行くことに決めました。

これが私と沖永良部の原点です。

「もし、あの時彼女を作ることを諦めてバイトのシフトを入れていたら。」

「もし、あの時彼女がいたら」

今ここには自分はいないんだと思うと、不思議な気持ちになりました。

2)沖永良部が私に与えてくれたもの

飛行機を降りた瞬間「暑い!!!」「島だ!!!」そう思ったのを今でも鮮明に覚えています。そして、今大変お世話になっている理事長先生が温かくが迎えてくれたことを覚えています。そして、子どもたちや島の方と本当に楽しい4日間を過ごしました。「また子どもたちに会いたい。」心の底から思いました。

その一方で、学習塾の中では考えさせられる出来事もありました。

学習塾は午前中から午後にかけて行われます。午前中の学習が終わると、子どもたちは家に帰り、ご飯を食べて午後からの学習に参加します。

12時になり、子どもたちが帰り始めました。

しかし、15分経っても帰らないで学習塾の外に残っている子がいました。

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声をかけて、家の近くまで子どもと一緒に帰りました。後から理事長先生に話を聞くと、沖永良部にも両親が忙しくて、子どもの昼ご飯が無かったり、100円だけを持ってスナックパンを食べてる子もいると話してくれました。私は、この時に塾では周りの子と一緒に走り回って元気に遊んでいたのに、昼ご飯の時間になると、「気まずそうな」子どもの姿を見て、これまでに抱いたことのない感情が芽生えました。

この時の感情が今の「家庭や地域の事情に関係なく、全ての子どもが、その子に合った教育の機会を得られる環境を作りたい。」というビジョンの原点になっています。

そして、この目的に向けて、カンボジアで「全ての子どもに教育へのフリーなアクセスを」をビジョンを掲げるNGOが支援する学校で日本語教師を100日間行い、「家庭や地域に関係なく、全ての子どもに、その子にあった質の高い教育を提供している」フィンランドの学校現場で7ヶ月間学んで来ました。そこでの学びを来年度から沖永良部での「フリースクール」立ち上げに全力を尽くして行きたいと思っています。

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 沖永良部での4年前の経験が、私に地元鹿児島の教育課題に目を向けさせてくれました。私の原動力の原点が沖永良部にあったことに4年経った今気付きました。

 これまでに私が3度訪れた活動についてまとめて見ました。

educationxfinland.hatenablog.com

 

2.「どんぐり自然学校」について

今年度の4月からフリースクールを沖永良部でスタートするにあたり、私自身も「子どもの居場所」について改めて学んでいきたいと思うようになりました。そこで、鹿児島市内にある「どんぐり自然学校」を訪問しました。文頭にも書きましたが、この学校に入った瞬間「ここは子どもが安心できる居場所」だと確信しました。まず学校に入ると、そこは縄文時代のような空間で、森や自然に囲まれていました。そして、木漏れ日が木々の間から差し込み、人が安心する空間になっていました。このような空間だからこそ、子ども達は初めて訪問する私たちにも、笑顔で「こんにちは」と挨拶をしてくれました。挨拶一つでも子どもがこの環境に「安心感」を持っているかが伝わって来ました。

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 「縄文時代」をコンセプトにしている学校の設備と子ども達の様子について紹介していきたいと思います。

❶ 木登りをする子ども達

子ども達は皆んな木に登っていました。私も子どもの頃はよく木登りをしていたのですが、最近では「危険」ということで学校でも木登りが禁止されるようになってきています。しかし、ここでは、その子や木に合わせてルールがありました。例えば、細い枝の木は3年生まで、大きい木は3年生からというように、全員が同じルールではなく、子ども達が納得した上での安全面を考慮したルールがありました。子ども達は猿のように木から木にジャンプをしたり、高いところから飛び降りたり、その身体能力に驚かされました。

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❷ 自然の中で学ぶ子ども達

このように学校の中には、自然でできたテーブルや椅子があり、子ども達は外で学んでいました。1歩外の世界に出ることで、教室では聞こえてこなかった自然の音に耳を済ますようになります。もちろん四季によって、感じるものも異なります。このように、自然の中で生活することで、自然を愛せるようになり、人を信頼し、優しくできる人に成長していました。

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 ❸ 対話をする子ども達

この学校では「子ども同士の対話」を日常生活の中でも重視していました。通常学校では、子どもの問題にすぐに先生(大人)が仲介して仲直りを促します。しかし、ここでは「子どもが自立した大人になるなること」「お互いを受け入れること」を大切にしています。そのためには、私たち大人は、子どもを信じて、待つ我慢が必要になります。もちろん最初から子ども達は建設的に議論ができるわけではありません。しかし、幼児期からこの「子ども同士の対話」を大切にすることで、子ども達は、自分達で「対話」を通して多くの問題を解決できるようになります。この「子ども同士の対話」がこの学校の「お互いを受け入れられる安心感」を生み出していると感じました。

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サークル対話ができる空間も外にありました。

❹ 生き物を愛する子どもたち

この学校の子ども達は生き物に対して、「優しい心」を持っていました。この学校に通う子どものエピソードを紹介します。

〜イモリと小学生の女の子〜

この学校に来るまでは、虫が大嫌いな女の子がいました。ここで何年か通う中で女の子の中に生き物に対しての考え方が少しずつ変わっていきました。

ある日、教室にイモリが出ました。普通の女の子だと、「きゃー」と叫ぶか、逃げると思います。中には叩いて殺そうとする子どももいるかもしれません。

「この虫が嫌いな女の子はどのように対応したのか?」

まず、近寄って、優しく指で持ち上げます。そして、窓を開けて、すぐにそっと自然に返していました。女の子は言いました。「イモリは人間と体温が異なるから、人が持つと体温が上がってしまう。」だから、女の子は、すぐに自然に返したそうです。まさに、学校で学んでいることと、生活が結びついていました。神対応な女の子なエピソードに驚きました。

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〜鶏と子どもたち〜

この学校の子ども達は大きな鶏を抱えていました。鶏を持っている子どもを実際に見たのは初めてでした。休み時間も鶏と追いかけっこをして、仲良く遊んでいました。

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また、どんぐり自然学校の理念や大切にしていることについては、まとめていきたいと思います。こちらがホームページになります。

donguri-steiner.net

 3. 2019年に私が実現していきたいこと

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 2年前に訪れた沖永良部での学習塾の写真

私が2019年から沖永良部で実現していきたいことについてまとめて終わりたいと思います。

「そもそもなぜ私が、沖永良部でフリースクールの立ち上げをするのか?」

私が共感したのは、「今沖永良部には、学校に行けない子どもがいて、その子の学ぶ環境や居場所を作りたい。」という島の方の思いでした。他の県にはない、鹿児島県の特徴として、南北600kmに国土は広がり、離島やへき地の学校が県全体の60パーセントを示しているという現状があります。都会の学校では、フリースクールや特別支援学校があり、ある程度全ての子どものニーズに合わせた教育が保証されていると最近は感じています。しかし、もう少し遠くに目を向けてみると、特別支援学校もフリースクールもない地域もあることに気付きました。沖永良部もその地域の一つです。

今離島では、支援が必要な子に向けた「居場所」というものがなく、学校に行けない子どももいます。そして、それを何とか解決するためには、誰かが動かなければなりません。「思い」はあっても、NPO等の非営利団体では生活が厳しいというイメージから、なかなか現状が変わらない実態があります。

そこで、今年は、私がこれまで一緒に活動をしてきた沖永良部の人と一緒に、大学や教育委員会の方を巻き込んで、沖永良部でフリースクールを立ち上げることにしました。私は島の人間ではないですが、島の人の考えに共感して、島に引っ越すことになりました。そこでは、島の文化や伝統を大切にして、島の人と楽しく、協働で「子どもの居場所」をフリースクールとして確立していきたいと思います。

将来的には、沖永良部のフリースクールを一つの事例として、鹿児島県の離島やへき地に「子どもの居場所」を広げていきたいと思っています。

最後に、このフリースクール立ち上げというものは本当に根気強く、多くの人と協働でやっていかないと上手くいかないと思っています。 私の役割として、沖永良部に多くの若者にきてもらうために、若者と沖永良部のパイプ役になりたいと思います。

 

◯こんなことをしていきたい

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・沖永良部のフリースクールでのインターン(夏休み・冬休み)

・夏休みや冬休みに子どもの体験学習キャンプを大学生が主催・サポート

・島の高校生を巻き込んで、地域の中で若者が子どもを支える基盤づくり

スカイプを使って島の子どもとの交流

 

多くの人に沖永良部の魅力を伝えていけるように動いていきたいと思います。

「できる、できない」ではなく「やるか、やらないか」を信念にこれからも沖永良部でのフリースクール立ち上げに向けて動いていきます。

 

島でみなさんをお待ちしています!!!