フィンランドの学校に行こう!

フィンランドの教育を通して日本の教育を見つめ直す。

Unit2 WEEK5 気象予報士になって天気を予測してみよう!

Unit2 人々は生きるために自然に対応する

いよいよ、気象について学んできた子どもたちは天気を予想する探究がスタートしました。

次の日に登山があるので、子どもたちの関心は天気予報に自然と向いていました。

「そもそも天気ってどうやって予想しているんだろう?」

そんな問いに子どもたちは、前回のプロジェクトで身の回りの自然現象(雨、雲、夕陽、虹、風、竜巻)について探究をしてきたので、それぞれがリサーチした観点で色々な考えが出てきました。

「虹と夕陽チームは太陽の光の強さが関係しているのではないか?」

「雨チームは水蒸気の量が関係してくるのではないか?」

「風チームは風の向きが関係してくるのではないか?」

「竜巻チームは雲の様子が関係してくるのではないか?」

「雲チームは雨雲の様子が関係してくるのではないか?」

そこで、子どもたちの意見を参考にしながら天気図、気象衛星の画像、水蒸気の量、雨雲レーダーの情報を提示して、その日の午後と次の日の天気を予想してもらいました。

天気図

「難しい〜」「全然わからない」 子どもたちから難しそうな声がたくさん聞こえてきました。その一方で、雲の動きの規則性や、登山で雲が左から右(西から東)に動いている生活経験を振り返りながら、雨雲の動きを予想し、天気を予想している子もいました。1回目の天気予報を終えて、来週訪れる地方気象台の方に聞いてみたい疑問を子どもたちと一緒にブレストをすると、様々なアイデアが出てきました。

▼ 子どもたちの中で出てきたWonder(疑問)

・どうやって当たる天気が予想できるのか>
・雨雲と普通の雲の見分け方
・降る前に雨の降る量をどうやって予想できるの?
・風の強さとか風向きとかはどうやって予想しているのか?
・時間が経ってないのに、なぜ気温の予測ができるのか?
・ツバメが低く飛ぶと雨が降るのは本当なのか?
・どれくらいの数の人工衛星で天気を予想しているのか?
・飛行機雲ができてからすぐに消えると晴れで、長く経って消えると天気が悪くなるのはなぜなのか?
・台風の予想進路はどうやって分かるのか?
・自分たちでも天気は予想できるのか?

そして、改めて、天気予報のアクティビティ第二弾を行いました。

天気予報を予測(math)

この日の天気は、天気予報をするのにはとても学びが深まる天気でした。

tenki.jpによると...
岐阜市の15時の降水確率が50〜60パーセント
・弱い雨
・雷警報

ちょうど、子どもたちが学校にいる時間に天気の移り変わりがあるので、自分たちの予想した天気を実際に自分たちの五感で確かめられる機会になりました。

気象を予報するためのデータリサーチ

1つの天気予報を見て、15時に弱い雨が降ると予想する子
警報の情報を加えて、15時に激しい雷雨が降ると予想する子
複数の天気予報を見比べて、14時半に雨が降りはじめると予想する子

一人一人に天気を予想する根拠がしっかりありました。

そして、いよいよ14時15分を迎えました。子どもたちは、自分たちの予想がどうなるのかを気になり始めます。外を見ると、さっきまで晴れていた空が曇り始め、西の空から灰色の雲が近づいてきているのを発見する子どもたち。

西の空の様子

「先生、外で雲の観察をしてもいいですか?」(この好奇心の声を大切にしたい!)

一人の子どもの声から「私も外で観察したい。」の声が広がり、15時を迎えるまでじっくり雲の動きを観察する時間にしました。

タイムラプスで雲の動きを撮影する子どももいました。そして14時半になり、雨が降り始めました。天気予報では15時だったのですが、14時半と予想をしていた子どもの予想が当たり、子どもたちは驚いていました。

そして、15時に近づくと、短時間で風は強い風に変わり、雨も猛烈な雨に変わりました。そして32°あった気温も急激に下がるのを体感する子どもたち。雷雨を伴う積乱雲の雲の特徴と雷雨が近づく時にどのような気象の変化を体感で掴んでいました。

そして積乱雲が通過すると、空は再び晴れて、積乱雲は狭い範囲で短い時間に激しい雨を降らすことを生活経験の中で育むことができました。

積乱雲通過後の様子

振り返りでは、「天気予報をそのまま信じるだけでは分からないので、複数の天気図を見て自分たちで考えることが大切」「天気予報をもうそのまま信じない。」と話している子どもたちでした。

次の日は、雨雲レーダーと天気予報を見ながら降水量の予測を行いました。

降水量を予測

実際の降水量

 

地方気象台で実際の天気を予報する様子を見学に行きます。