Global Teacher Program Finland にかける想い〜2019年の1つの軸〜
「なぜこのフィンランドの学校現場を視察するプログラムを作ろうと思ったのか?」
いよいよ本日(2019年1月31日)第3弾となるフィンランド教育現場視察プログラムの運営でフィンランドに行ってきます。これまでに24名の学生、そして今回も12名の学生と一緒にフィンランドの学校現場の視察を行います。このプログラムを運営することは、大変なこともありますが、今はそれ以上に一緒に参加してくださる学生と教育について学べる「幸せ」が圧倒的に上回っています。このブログでは、私がこれからこのプログラムに抱いている想いを含めて、来年度何をしているのかをまとめていきたいと思っています。
*第2回フィンランドスタキャンでの現地高校生との集合写真
(タイトル)
1.このプログラムが出来る背景
2.このプログラムについて
3.これからのビジョン
1.このプログラムが出来る背景
「なぜ私はこのプログラムを行うことになったのか?」
そもそも私とフィンランド教育との出会いは、大学2年次に受けた講義がきっかけでした。一時はフィンランドへの興味は薄まりますが、キャリア選択を本気で考える時期である大学3年の冬に「人生のやりたいことリスト」を書き、大きく人生が変わっていきました。その時に書いたやりたい事リストの一部がこちらです。
・2位「フィンランドの学校現場を見てみたい。」
・5位「小学校の先生になって多くの子どもと笑顔で毎日過ごしたい。」
そして、この瞬間フィンランドの学校現場でインターンすることを決意しました。しかし、学校現場に留学するには、6ヶ月間で100万円近い仲介料+生活費(8万/月)が必要になります。このお金を何とか準備するには、奨学金の選考に通らなければいけません。しかし、ここでも最終面接で不採用。一時は、留学のモチベーションも下がりました。しかし、周りには留学すると伝えていたので、気持ちを切り換えて留学を開始しました。現地について、1ヶ月が経ちあることを感じるようになります。「日本の教育をよりよくしたい。」そう思って留学をしましたが、違和感から次の思考が出て来ました。
思考過程
❶ 私1人で日本の教育をよりよくしていくには限界がある。
❷ もっと多くの人にフィンランドの学校現場をみて欲しい。仲間が欲しい。
❸ でも、留学するには、お金(150万円)かかる。
❹ じゃあ、私が無料で学校現場との仲介をしよう。
❺ しかし、長期休学にもハードルがある。(親の理解、多額の休学費用がかかる)
❻ 学生が主体で、短期でフィンランド教育を十分に深められる機会を作りたい。
❼ フィンランドの教育現場を視察するプログラム開始。
このような経緯でこのプログラムが始まりました。
プログラムの歴史
❶ 2017.10 Beyond schoolとしてフィンランドのスタディキャンプ企画開始
❷ 2018.2 Beyond schoolとして初のスタディキャンプ実施(13名参加)
❸ 2018.9 Beyond schoolとして第2回スタディキャンプ実施(11名参加)
❹ 2018.9 Global Teacher Programとして企画開始
❺ 2019.2 Global Teacher Programとしてプログラム実施(12名参加予定)
多くの人の協力で生まれ、今も継続しているプログラムです。決して私一人の力ではなく、見えないところで多くの人の思いが詰まっています。私たちが大切にしていることは、「現地の人も、私たちも幸せにすること」です。このプログラムでは、双方向のメリットを大切にしています。現地の先生には、教育を学ぶ私たちと関わることで教育への視野を広げることができます。現地の子どもたちにとっては、私たちと交流することで異文化理解や交流に繋がります。私たちはその対価として、フィンランドの教育を学ぶことができています。次に、本プログラムについてもう少し補足をしていきたいと思います。
2.このプログラムについて
1. GTP in Finlandについて
1)Global Teacher Programのビジョン
グローバル化が進んでいくこの社会で、 これから活躍していく子どもたちを育てる先生を増やす。
2)Global Teacher Program in フィンランド のミッション
「世界最先端の教育を、日本の教育に還元する施策を企画 ・ 立案し、実行に移すこと」
3)プログラム概要
最先端を行くフィンランドの学校教育を様々な視点から体系的に学び、日本全国から集まる教育に熱い仲間と、「北欧の教育」そして「日本の教育」への理解を深めます。ここから、 あなたの志をカタチにする大きな一歩を踏み出します!
プログラムの詳細は以下にまとめています。
educationxfinland.hatenablog.com
3.これからのビジョン
これから大事にしていきたいことは、今大事にしていることと同じです。
「現地の人も私たちも幸せにすること」です。
最近現地の校長先生から次のようなメッセージを頂きました。
「もし、このプロジェクトがビジネスを目的とするものなら継続はできない。」
この時私は、今まで自分たちが大切にしてきたものが一気になくなる不安を感じました。それと同時に、このプログラムがどれだけ多くの人によって支えられているのかを気づかされることになります。別の仕事をしながら、100%のボランティアで継続していくことは正直難しいと感じています。最低限度の活動費を頂きながら、現地の先生、子どもたち、そして本プログラムに参加する学生、最後に私たち運営側もハッピーになれることは、これからも大切にしていきたいと思っています。
改めて思いを伝えた結果このプログラムは校長先生からも「I want to continue to this program for many years 」という言葉を頂いています。このような言葉が得られているのも、これまでに訪れた日本人の学生の信用の積み重ねでもあります。改めて、海外に出るときは日本人の代表として、行動すべきであることが求められます。今後も、現地の先生の思いも最大限に尊重して、「感謝の心」を忘れず、このプログラムが継続できるようにしていきたいと思います。
そして、未来を生きる子どもたちがハッピーになれるように、広い視野を持つ先生をこのプログラムを通して広げていけたらと思っています。いきなり大きなものを変えることは難しいかもしれないですが、身の回りでハッピーな先生や子どもを増やしていきたいと思っています。このプログラムにはその可能性が沢山あることを多くの方に感じてもらっています。
今でも、このプログラムに参加してくれた仲間とは継続的に会っています。
プログラムが終わっても、一緒に学び続ける、モチベーションを高め合える大切な仲間です。
今年度新たに行うことを3つまとめて終わりにしたいと思います。
❶ ハッピーにする都市の拡大
更に今いるIisalmiという都市に加えて、フィンランドGTPを通して先生や子どもたちをハッピーにできる都市の拡大を増やしていきたいと思っています。
❷ 縦の繋がりを作る
今回が3度目のプログラム実施になります。今まで横の繋がりは深まっていったのですが、縦の繋がりがいまいち深まっていない現状があります。例えば同窓会を実施したり、現地にいった時にスカイプで繋ぐなどをして、輪を広げていきたいと思っています。
❸ ホームステイの受け入れるコミュニティ−を作る。
私が住んでいた町は比較的学校現場の受け入れは寛容ですが、ホームステイの受け入れを探すことが難しいです。そこで、facebook上で、ホームステイを受け入れたいフィンランド人の家族と、ホームステイをしたい日本人を繋げられるコミュニティを作りたいと考えています。
私が大好きなこのIisalmiという町との関係が今後も何十年と繋がっていけるように、これからも走り続けていきます。
モイモイ!!!