フィンランドの学校に行こう!

フィンランドの教育を通して日本の教育を見つめ直す。

フィンランドのICT教育は日本の10年先をいっている

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フィンランドの一般的な授業の雰囲気の様子です。写真の中を見てみると、教室には、どんなに小さな小学校でも電子黒板、生徒一人一人にタブレット或いはラップトップが配布されています。元々は、フィンランドでも黒板と紙で授業を行なっていたのですが、これからの時代は情報を活用する力が求められるとして、10年以上前から授業は電子教科書を用いて行われるようになりました。日本でも近年、ICT機器が導入されようとしていますが、ICT機器をどのように活用したらいいのか分からないと悩んでいる教員の方は多いと思います。そこで、本日のブログでは、私が現地で実際に見てきたフィンランドの学校のICT活用実践についてご紹介していきたいと思います。

1. フィンランドの学校のICT環境

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フィンランドの学校現場には、十分なICT教育が整備されてます。

▼一般的な学校現場に存在するICT関連設備

電子黒板(教師用)

プロジェクター(教師用)

パソコン(5台/教室)

iPad或いはラップトップ(生徒用/一人一台)

10年前から、情報化に備えてICT機器を学校現場に導入し始めたフィンランドですが、年配の先生はICT化に対応するのが大変だったみたいです。ICTに移行時期の際に、ICTのみで授業をすると、やはり教科書とワークブックも合わせて授業を行う方が効果が高いことも分かってきました。ICT機器と従来の教授法のバランスを模索し始めて、今の授業があります。10年先を行っているフィンランドでは、どのようにしてICT機器を活用して、授業を行なっているのでしょうか? 

2. フィンランドのICT活用法

① 通常授業での活用法

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・個別学習に対応

一人一台のタブレットを導入することで、より一人一人のレベルに合わせた授業を行うことが可能になりました。

▼ICTを用いた算数の授業の進め方

導入(10分):新しく学習する内容の説明【一斉指導】

演習(15分):新しい学習内容の演習時間【個別学習】

自由(20分):復習、発展問題の時間【個別の習熟度に合わせた学習】

 生徒一人一人のタブレットの中には、公文式のスモールステップで学習ができる、アプリが入っていました。子どもたちは、自分で苦手な分野を選択したり、得意な分野では、発展的な学習に進んでいました。日本では、子ども一人一人に合わせた学習をするには、先生が一人一人に学習内容の指示を出す必要があります。しかし、アプリを用いることで、子どもたちの自立的な学習がより簡単に実現していました。

・授業にゲームの導入

生徒が一人一台のタブレットを持っていることで、タブレットを用いてアクティブラーニングが実現していました。詳細のゲームは次のトピックにまとめております。

② 特別支援学級での活用法

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ICT機器は、特別な支援が必要な子どものニーズに合わせて活用していました。

▼例えば

「文字を書く」力が弱い子には、指でなぞって文字を書く学習

「聴覚過敏」な子には、ヘッドフォンをして周りの音を軽減して学習

視覚障害」の子には、タブレットで文字を自分で大きくして学習

「文章が読めない子」には、1行ずつ読めるようにして学習

もし、これを通常学級の中で先生が1人で対応しようと思うとかなりの労力になります。しかし、タブレットで自分に合った学習を知ることで、子どもたちは自分で学習ができるようになっていました。ここも、大事にしていることの一つで、将来的に、子どもたちは「自ら学ぶ力」が必要になります。ICT機器を使うことで、自分が学べる環境を自分で作り、「自ら学ぶ力」を身につけることを目的としていました。

 ▼文字を実際に書く練習をしていました。

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③ プロジェクト学習での活用法

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フィンランドでは、年に1回プロジェクト学習(1週間規模)を実施することが義務付けられており、ICT機器を用いることで、より実践的なプロジェクト学習が行われていました。

▼2つのプロジェクト学習(詳細はクリック)

6ヶ月間のプロジェクト学習〜技術家庭科編〜

今世界で活躍するフィンランドの会社を、世界で広げるためのプレゼンを作り

3. オススメの誰でもできる教室内でのICTを使ったゲーム 

① Kahoot▼詳細は下の画像をクリック

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Kahootは教師自身がオンライン上にクイズを作成することができます。そして、教師が作成したクイズを、デバイス(PC、タブレットiPad)を持っている生徒が指定されたクイズ番号を入れるだけで、クラス全員が授業にチャレンジすることができます。クイズは、正確性と解答速度でポイントが与えられ、合計獲得ポイントを競います。Kahootは、主に復習や導入で用いられます。フィンランドの子どもたちに人気のアプリの一つです。


② Quizlet▼詳細は下の画像をクリック

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Quizletは、主に単語復習に最適なアプリです。フィンランドでは、ユニット毎に教師が単語を登録(フィンランド語と英語)して、様々な方法で単語の復習をゲーム感覚ですることができます。一番人気のゲームが、子どもたちが一人一台のタブレットを持ち、教師はランダムにチームを作成します。そして、チームで単語の組み合わせを競います。このゲームの間は、子ども達は夢中になって単語を覚えるので、繰り返して行うことで単語の定着に繋がっていました。

このように、タブレットを使ってオンライン上にある無料のコンテンツを使って授業の中で取り入れていました。是非、英語教員の方にはオススメしたいアプリです。

 

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

最後に8月に行うフィンランド教育に関する講演の案内です。

 

▼講演の詳細はこちらです。

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明日のブログも楽しみにしていただけたらと思います(-^-^-)

モイモイ!!!