フィンランドの学校に行こう!

フィンランドの教育を通して日本の教育を見つめ直す。

学校に通えない子どもが一歩踏み出す瞬間

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5月28日の1本の電話から物語は始まります。

「明日サランセンターにお話を伺いに参ります」

ここから私たちの一歩は始まりました。

 

そして次の日、お母様と中学1年生の男の子がサランセンターにやってきました。

(イメージ画像▼)

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初めて受け入れる学校に通えていない子どもを迎える瞬間。

 

「どんな一言をかけてあげればいいのか?」

 

とても悩みました。

名前と学校に行けていないという2つの情報の中で何を話したらいいのか?

人の第1印象は、出会って一言目を話すまでの6、7秒で決まると言われています。

 

とっても大切な瞬間です。

「あなたならどんな一言をかけますか?」

 

悩みながらも、男の子はサランセンターの中に入ってきました。

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男の子:「こんにちは(落ち着いていて、礼儀正しい感じ)」

この一言で、私はこの男の子の中にあるちょっとしたエネルギーを感じました。

それと同時に、私たちのことをちょっと信頼して家から出てきたことに驚きました。

不登校』と聞くと、どこか私たちは「普通の子どもと違う」

こんなバイアスがかかって、子どもと関わるのではないでしょうか?

私も、ここまで何を話したらいいのかを悩んだということは、何かしらの

バイアスがかかっていたなと感じています。

私たち:「こんにちは。」

私は、男の子の表情を見ていつもと同じように関わろうと思いました。

私たち:「この学校って斜めに傾いてるんだよね〜。こけないように〜。」

男の子:「クスッ」と笑いました。

男の子の笑顔で場の空気感が和んできました。

そこからは、日常会話をお互いに話始めました。

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・沖永良部に来て2ヶ月が経ったこと。

・家にヤスデが200匹出たこと。

・好きなゲームについて。

 

少し緊張感のある中で、穏やかで、笑いの絶えない時間になりました。

 

そして、サランセンター についてお母さんと男の子にたっぷりお話しした後、

ドキドキの質問を投げかけてみました。

 

私たち:「明日からここに少しの時間でも通ってみる?」

 

家にこもっていた男の子にストレートな質問でした。

この場にいる、お母さん、私たちスタッフは回答があるまで

不思議な緊張感がありました。

 

男の子:「うん」

 

初めて会って2時間の話の中で、学校に通えない男の子が、私たちを信じて大きな一歩を踏み出してくれた瞬間でした。

 

男の子は、この2時間でどんなことを感じ、私たちを「一度信じて見ようかな」と思ってくれたのでしょうか?

 

私たち:「まるで告白して回答を待つまでの時間のようだったよ〜。」

 

男の子:「ハハハ(°▽°)」

 

冗談をお互いに交わしながら、あっという間に2時間が経過しました。

 

私たち:「また明日ね」

 

男の子:「はい。さようなら。(礼儀正しく)」

 

入って来た時より、お互いに穏やかな雰囲気でした。

 

ここから私たちの一歩が始めると思うと、緊張と楽しみで溢れていました。

 

沖永良部で初めてとなる「新しい居場所」

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その子がその子らしくいられる、あったかくて、落ち着く場所を作っていきたいなと思います。

 

「じっくり、ゆったり、カラフルに」

 

子どもと一緒に歩んでいきたいと思います。