フィンランドの学校に行こう!

フィンランドの教育を通して日本の教育を見つめ直す。

スクールの時間割紹介〜どんな力を育むことを目的としているのか?〜

「どんな力を育むことを目的としてるのか?」

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Q:「サランセンターとは何か?」

A:「児童発達支援・放課後等デイサービスとして支援を行っています。」

Q:「放課後等デイサービスにはどんな役割があるのか?」

A:「厚生労働省ガイドラインによると、放課後等デイサービスは、児童福祉法第6条の2の2第4項の規定に基づき、 学校(幼稚園及び大学を除く。以下同じ。)に就学している障害児に、授業の終了後又は休業日に、生活能力の向上のために必要な訓練、社会との交流の促進 その他の便宜を供与することとされている。

放課後等デイサービスは、支援を必要とする障害のある子どもに対して、学校や家庭とは異なる時間、空間、人、体験等を通じて、個々の子どもの状況に応じた発達支援を行うことにより、子どもの最善の利益の保障と健全な育成を 図るものである。」

*詳細はこちらに書いてあります。

https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12201000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu-Kikakuka/0000082829.pdf

 

この「生活能力の向上に必要な訓練」については、具体的に何を指導するのかは、国からは決められておりません。この施設に通う子どもの実態に合わせて、個別の指導計画を作成することになっています。

 

「では、私たちサランセンターではどのような指導を行っているのか?」

 

本ブログでまとめていきたいと思います。

 

 

こちらが現段階の毎日の時間割になります。

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(それぞれの学習目的と説明)

PA(プロジェクトアドベンチャー

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Q:「なぜ、プロジェクトアドベンチャーを取り入れようと思ったのか?」

A:「今サランセンター に通っている子ども達は、極端に自己肯定感が低い子ども達が多いです。本当は素晴らしい力を持っているのに、何かをしようとすると、周りと比べてしまったり、挑戦する前から諦めてしまう子もいます。このPAを通じて、安心して学べる環境を作り、子供が安心して成長していける環境を作ろうと思います。」

Q:「PA=プロジェクトアドベンチャーとは何か?」

A:「人が人間として成長するための『気づき』を効果的に体験するための手法

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Q:「具体的には、どんなことをするのか?」

A:「こちらのHPに沢山のアクティビティが載っています。」

http://www.nichinoken.co.jp/opinion/cfr/shien/pdf/pa_activity.pdf

Q:「体験の中で一番大切にしたいことは何か?」

A:「『人を信頼するこころ』を育むこと。

Q:「他にどんな体験を大切にしているのか?」

A:「自己との対峙、葛藤、自分自身に対する挑戦、仲間との協力、成功体験、達成感を大切にしています。

Q:「もっと詳しく知りたい!」

A:「こちらのHPに詳細が載っています。」

www.pajapan.com

 

 

②けテぶれ

 

 

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Q:「なぜ、けテぶれを取り入れようと思ったのか?」

A:「今サランセンター に通っている子ども達は、誰かのサポートがあれば学習が出来る段階に成長してきました。しかし、これからここに通っている子供達も、一人で自立していきていかなくてはいけません。そのためには、自ら学ぶ力(=学習力)が必要になります。この4月の段階で、学習力を身につけて、これから取り入れていく『自分が好きなこと』を探求する学習につなげていきたいと思っています。」

Q:「そもそもケテブレとは何か・・・?」

A:『自分で学習を進める力=学習力』を高めることを目的とした学習方法です。」

      「大人の言葉でいうと, R-PDCAサイクルです。」

    「この考え方は、大人になってからも使うことができます。」

Q:「小学生で、けてぶれを例えるとどうなりますか?」

A:「目標(テスト100点)に向けて、「いかく」を立て、「スト」をして、実力を上げるためにはどうすればよいかを「んせき」し、「んしゅう」を繰り返すというサイクルです。各過程の頭文字をとって「けテぶれ」です。」

「けテぶれ」は学習内容の定着(学力向上)はもちろんのこと、自分なりの勉強法(学び方)を確立することができます。 

*けテぶれとは?

note.mu

 

③集中力トレーニン

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Q:「なぜ、集中力を高めるトレーニング(=陰山メソッド)を取り入れようと思ったのか?」

A:「今サランセンター に通っている子ども達は、少しずつ集中して勉強する力が身についてきました。これから勉強の基礎となる読み・書き・計算の力を陰山メソッドを取り入れて向上させることで、学習に向かうための土台を4月に作っていくのが目的です。」

Q:「どのようにして「集中力」を育むのか?」

A:「25ます計算or100ます計算です。」

Q:「なぜ、100マス計算なのか?」

A:「誰でも、取り組むことができるから。」

Q:「ただ取り組ませるだけで、集中力は高まるのか?」

A:「より集中力を高めるために、タイムや正確性を意識してもらいます。そこで、どうしたら、タイムが早くなるのか?をこどもたち自身に考えてもらいます。(=けテぶれ)そして、毎日継続して行うことで、集中力が鍛えられ、タイムも正確性も向上してきます。成果が出ることで、自信に繋がり、他の学習への相乗効果も生まれます。これは、陰山メソッドの考え方を取り入れたものです。」

これが今実際にサランセンターで使っているものです。この方法で初めて1週間が経ちましたが、少しずつ子どもたちの集中力と学習力は身についてきています。また1ヶ月の成果等をデータでまとめて共有していきたいと思います。

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*陰山メソッドとは?

kodomo-manabi-labo.net

 

④好きなことを深める時間(=探求学習)

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この時間では、子どもたちが「好きなこと」を深める時間を設けています。

Q:「子どもたちに突然『好きなことをしてもいいよ。』と言って、子どもたちは好きなことを学ぶことが出来るでしょうか?」

(私の考え)

Q:「なぜ勉強をするのか?」

A:「自分の好きなことをするため。」

と答えます。私は、この「好きなことを深める時間」で学ぶことの楽しさを子どもたちに感じて欲しいと思っています。なぜなら、国語や算数で学ぶ楽しさを感じる子もいれば、そうでない子もいるからです。

「学校の勉強が苦手→学ぶことが嫌い」

↓ ココでは ↓

「自分の好きなことを探求するのが好き→学ぶことが好き」

を目指していきたいと思っています。

 

ここに学びにきている子供は、学校に通い、放課後にここに通っています。

学校では「授業が分からない。」家でも「宿題が分からない。」

これでは、子どもにとって「学び=きつい」ものになってしまいます。

 

しかし、私は学校を否定するわけではありません。学校と合う子どもも沢山いて、沢山の子どもが学校を通してたくましく成長しています。私もその一人です。

 

大事なことは・・・

今のこの環境の中で、いかに役割分担をして、全ての子どもが成長できる環境を整えていくかだと思います。

 

私は、このサランセンター に来て、子どもが活き活きと学ぶ姿を何度も見ています。

人は「知りたい」という欲求は必ず存在します。私たちの役割は、ここに通う子供達が「知りたい」「調べたい」「学びたい」ともうモノを見つけるきっかけを作ることだと最近は考えています。

 

「慌てず、ゆっくり、その子に合わせて、丁寧に向き合っていきたい。」

 

 

そう思った1日でした。

 

今日は入学式もあり、改めて原点に帰った1日になりました。

 

ここまで読んでくださってありがとうございました。