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フィンランドの教育を通して日本の教育を見つめ直す。

共働き世帯の子どもの放課後の過ごし方とは!!現地のリアルをレポート!!vol.2

フィンランドの子どもは放課後をどのように過ごすのか

 

前回は、フィンランドの先生の働き方についてリポートを行いました。その中でも

お伝えしたように、フィンランド人は、仕事以上に「家族」の時間を大切にしており、

「フレキシブル」に働きます。私が7ヶ月間お世話になった校長先生の言葉が印象的で

した。

 

(ある金曜日の13時半に校長先生がかなり急いで仕事を済まそうとしています。)

 

私   :「他の先生が働いているのに、校長先生はもう帰るんですか?」

校長先生:「今日はこの後、奥さんの実家に帰るからね〜」

私   :「日本だと、校長先生が先生方より早く帰るのは考えられないです。」

校長先生:「え!!!!」

私   :「それに日本だと早くても17時頃までは家に帰れない雰囲気が。。。。」

校長先生:「何で???」

私   :「他の先生が仕事をしてるので、自分だけ帰るのは、、(職員室文化?)」

校長先生:「???、OK、、、それだと家族で過ごす時間はかなり短いんだね!」

     「ここは、1st is family, 2nd is relax time, 3rd is hobby..5th is working..!! 」

私   :「日本は、1st is working, 2nd is associate with collegue, 3rd is family??」

 

フィンランドの人が「家族」や「仕事」に対してどのように考えているのかが少し

分かったと思います。そんな中でも、フィンランドでは、夫婦の8割が共働き

言われています。本日のブログでは、そんな共働きの家庭で育つ子供達の放課後の

過ごし方の1つである「プレイパーク」を紹介します。

 

1. そもそもプレイパークとは何か?

2. 施設の紹介

3. 運営方法

 
 
① そもそもプレイパークとは何か?
 
プレイパークは、フィンランド語で『Leijkipuisto』と言われており、
イメージは日本でいう「児童クラブ」に近いものである。
日本の児童クラブとの違いは大きく2つです。
 
① 学校の敷地内外どちらもあること
② 無償であること
 
このプレイパークはフィンランドの首都ヘルシンキを中心に100年前に始まりました。
現在では、首都ヘルシンキを中心にフィンランド全土で広がっています。
 
今日本では両親の共働きが増え、放課後の待機児童が増え、学童保育の場所、
指導員不足が課題とされています。
そして、日本でも解決に向けて動きが出てきています。
 
 
フィンランドでは日本と比べても共働き率は高いのにも関わらず、
放課後における待機児童はゼロと言われています。
 
では、共働きの子どもたちはどこで放課後を過ごしているのか?
 
その居場所の1つが『Leijkipuisto』です。
 
ここでは、全ての人が、料金など関係なく、放課後自由に遊べ、自由に宿題をし、
保護者が迎えにくるのを待つことができます
 
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② 施設の紹介
 
『Leijkipuisto』は主に建物と公園が施設内にあります。そしてヘルシンキ
都市部の方は柵などがありますが、この施設では柵もありませんでした。

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建物の中に入って見ましょう。こちらの絵は現在通っている子どもたちの似顔絵です。約70名の子どもが通っています。
 
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殆どは小学1.2年生の子どもが通っており、3年生以上は家に帰って過ごします。
中には高学年でも、小さい子どもと遊んでくれている子どももいます。
 
家のような雰囲気なので子どもたちは安心してゆっくりすることができます。

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キッチンまで備え付けてあります。
ここでは1日1€でおやつを食べることができます。おやつと言ってもスナック
ではなくこの日は、たちに人気のハンバーガーでした。
しっかりと栄養も取れるので保護者も安心です。
 
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おもちゃが充実しているので子どもたちは遊ぶのに夢中です。

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ぬいぐるみもたくさん置いてありました。
 
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また部屋の中では宿題をして過ごす子どももいます。
部屋の中で遊ぶ子もいれば中には寒さに負けず外で遊ぶ子もいます。
 
こちらが外の様子です。
 
時間帯は夕方の4時です。この施設では5時まで子どもを預かっており、
5時になると全ての保護者が迎えにきます。

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夏はプール!
冬はスケート場です!アイスホッケーをしています!😊

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アウトドアの遊び道具も充実しています😊

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このようにプレイパークでは「子どもが遊びたい」「この場所にいたい」
と思いたいような環境が整っていました。
もし、指導員の先生が叱ったりすれば、この場所にいたいとは思わないですよね。
子どもたちは、のびのびと過ごしていました。
 
さてここまで読んでくれた方は誰がどのように運営しているのか気になると思います。
 
③ プレイスクールの運営方法
 
まず、『Leijkipuisto』を運営しているのは公務員です。
公務員であることから、保護者からもとても「信頼」があります。
 
そして彼らに全ての責任が委ねられています。
 
またこの施設は無料で地域に開放してあります。
 
(午前中)
小学校に入学する前の子どもがやってきます。そして母親の集いの場にもなります。
またこの施設では幼稚園と連携しており、この施設に通う子どもたちは、
幼稚園で一緒に授業を受けます。
 
(午後)
小学校を終えた子どもたちがやってきます。
幼稚園同様に、小学校とも密に連携を取っているため、保護者の方も安心して通わせることができています。また外国籍の子供の受け入れもスムーズに行えています。
 
またこの「プレイパーク」は、小学校から歩いて5分で行くことができる場所に
あります。
 
ところで無料ということはどこから資金を得ているのか?
 
資金は税金(公費)から賄われています。
 
このプレイパークも無償の教育の一貫として位置付けられているのです。(すごい)
 
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日本で共働きの保護者はなかなか子どもと一緒に過ごすことができません。
今は、一人で放課後を過ごす子どもが増えているように感じます。
 
私が子どもの頃は、家にこもって1人でゲームをして過ごすことは
少なく、皆んなが外に出て、近くの公園で遊んでいました。
 
今の時代、公園ではボール遊び禁止等もあり子どもの遊び場がない課題もあります。
 
フィンランドではプレイパークという施設で日本にある様々な問題を解決しています。
 
日本に取り入れようとすると、また色々な問題が出てきそうです。
 
・ 運営資金源はどうするのか?
・ 安全面はどうか?もし、怪我や事故が起きたら?
・ 施設は誰が管理するのか?
・ 塾や習い事に通えない家庭の子が集まるコミュニティになり兼ねない。
 
フィンランドで実現している理由とは?
 
① 国からの資金面の支援
② 信頼の文化
③ ボランティアで支援員をする人がいる時間的なゆとり
 
しかし、日本でも近年、NPOや地域の中で、「子どもの居場所」を作る人が増えてきています。「金銭的なサポート」が国から得られれば、支援をしたいと考える人は多くいるように感じます。
 
私も来年度からは、沖永良部で「フリースクールの立ち上げ」を島の人と一緒に行う予定です。理由は、島には、特別支援学校はなく、全ての子どもが同じ教室で勉強しています。先生方の負担は大きく、本来の可能性を引き出せていない子どもたちが沢山島にはいるという課題があるからです。
 
今回紹介した「子どもの放課後の居場所」が日本でもこれから増えていく気がします。
 
フィンランドの子どもの習い事」についてもまとめていきます。
 
お楽しみに〜!!!