フィンランドの学校に行こう!

フィンランドの教育を通して日本の教育を見つめ直す。

第2弾:フィンランドスタディキャンプ3日目

 

いよいよメインの学校現場視察が始まりました。

本日訪れた学校現場は次の2つです。

 

①昨年オープンした新設の学校(プレスクール・小学校)

f:id:hamu-cute120:20180917054028j:plain

*2月の写真

・昨年の夏にリニューアルした新設校。

・全校児童は120名(2学年で複式学級を取り入れている。)

(校舎は木で作られており、フィンランドで一番大規模な新聞にもクリーンな学校として取り上げられた。)

・子どもが自分で学ぶ場所を選べる環境が整っている。

・プロジェクト学習を多く取り入れている。

(*年度末の例:薬物についての授業では、on line上でペアで資料作成、音楽ではグループで作詞作曲し演奏、技術家庭では自分で作りたい作品を自身で決め作成等。

〈5か月のプロジェクト〉)

・ICT機器を多く取り入れてセルフラーニングを実践中。

 

②モンテッソリー教育を実践している小学校

f:id:hamu-cute120:20180917054211j:plain

*1.2年生のモンテッソリー教育を実践している教室

全校児童200人程度 

・特別支援学校の役割も担っている。(インクルーシブ教育推進校)

・1.2年でモンテッソーリ教育を1クラスで取り入れている。             (モンテッソーリ教育の幼稚園との連携のため)

・音楽を専門に学べるクラスがある。(3年生から)

 

*以下モンテッソリー教育についての情報

sainou.or.jp

 

午前中は、新設の小学校を訪問しました。

最初に校長先生から、Iisalmiの教育と学校についての説明を受けました。

 

f:id:hamu-cute120:20180917054256j:plain

 

・英語教育について(小学2年から週2時間必須)

・プレスクールについて(6歳からの1年間通うことが必須)

・学校の歴史等

 

その後は小学4年生による学校案内ツアーです。Google翻訳ジェスチャーを用いて

一生懸命学校の設備を案内してくれました。

 

f:id:hamu-cute120:20180917054618j:plain

ここからは、学校の設備を紹介します。

設備を設置する際に、大事にしていることは、

「子どもの学びを保障できる空間・環境作り」です。

f:id:hamu-cute120:20180917055246j:plain

教室にはソファが置いてあり、安心感があります。

f:id:hamu-cute120:20180917055415j:plain

教室には電子黒板、プロジェクターが完備してあり、授業では、電子教科書が

100%使用されています。

f:id:hamu-cute120:20180917060157j:plain

子どもが自由に学びの場所を選択できる空間①

(グループでプロジェクト学習を行う際によく使われます。)

f:id:hamu-cute120:20180917060247j:plain

子どもが自由に学びの場所を選択できる空間②

(教師と子どもが個別指導をする際によく使われています。)

f:id:hamu-cute120:20180917060307j:plain

子どもが自由に学びの場所を選択できる空間③

f:id:hamu-cute120:20180917060320j:plain

子どもが自由に学びの場所を選択できる空間④

(算数の時間では、問題演習の時に集中できる環境を生徒自身が選び、各自で学んでいます。)

f:id:hamu-cute120:20180917060745j:plain

子どもについて教員同士で語れる場「職員室」

(休み時間は、デスクワークをするのではなく、教員同士での対話を大切にしています。学校の事だけではなく、家庭のことも話し、率直に話せる信頼関係がフィンランドの職員室にあります。)

 

12時に新設の学校の視察を終えて、午後からは「モンテッソリー教育」を実践している小学校を訪問しました。

*バスが2分早く出発して、乗り遅れるハプニングがありましたが、校長先生の協力により、無事に車で送ってもらい学校に到着できました。

 

モンテッソリー教育の目的は、

「自立していて、有能で、責任感と他人への思いやりがあり、生涯学び続ける姿勢を持った人間を育てる」ことです。

また、モンテッソーリ教育は、教師(大人)の価値観で一方的に教え込もうとするのではなく、子どもの興味や発達段階を正しく理解し、子どもが触ってみたい、やってみたいと思う環境を適切に用意し、その環境と子どもを「提示」などによって結びつけ、子どもの自発的活動を促します。

f:id:hamu-cute120:20180919054147j:plain

繰り上がりの計算を遊びを通して、体験的に学んでいます。


子どもは、自分で選んだ活動に満足いくまで繰り返し取り組みながら様々な能力を獲得していきます。

 

実際にモンテッソリー教育を実践している先生の話の中で、

先生が何度も話していたのが「Students can study by themselves」です。

先生が生徒を信頼し、生徒も先生を信頼しているからこそ、出来る学びだと感じました。

 

そんなモンテッソリー教育を実践している学級の目標がこちらです。

 

f:id:hamu-cute120:20180919050604j:plain

1.Be kind to people

2.study hard

豊かな人間性を育むことと、一生懸命に学ぶことです。

どちらも日本の教育で大事にされていることです。

 

日本の現場と異なるのは、

1.少人数であるため、子ども同士で家族のような人間関係が構築されていること。

2.公教育の中で、子ども一人一人に合った学びを保障していること。これにより、子どもの学ぶ意欲が高まっていること。

 

また、クラスの中で大切にしている言葉が4つありました。

f:id:hamu-cute120:20180919050609j:plain

1.I'm sorry.(過ちを認められる。)

2.Can I help you?(友達を助けてあげられる。)

3.Thank you. (感謝の気持ちが伝えられる。)

4. Here you are.(手を差し伸べられる。)

 

また、これらは生徒だけでなく先生もクラスの中で意識的に行っていました。

例えば、印象的だったエピソードがこちらです。

 

クラスの中に、大声を出している子どもがいました。この時に先生がとった行動は、「静かにしなさい。」ではなくて、「Can I help you?」でした。子どもの問題行動は、何かのサインです。教師が子どもが抱える問題を受け止める姿を、子どもたちは観ています。教師が、困っている子どもに寄り添う姿を見て、子どもも同じようにできるようになります。

 

フィンランドの教師は子どもをほとんで叱ることはありません。

教師は、子どもの問題行動に対して、長期的な目で、多くの選択肢を駆使して

子どもと向き合っています。教師自身が、子どもを指導する際に、「子どもの成長」を願い、多くの選択肢を提示できる力量をもつ重要性を感じました。

 

f:id:hamu-cute120:20180919054310j:plain

スモールステップで子どもの学びをサポートします。

 

この日の学びとして、「子どもの学ぶ権利を保障できる学校作り」に必要な要素は

 

① 教師が子どものことを第一に考えること「子ども主体」

② 教職員全体で1人の子どもを育てる意識を持つこと「チーム学校」

③ 教員同士が語れる場「職員室の在り方」

④ 教師のゆとり「働き方改革

 

全て今の日本の教育現場でも聞いている言葉です。日本の教育をすぐに

大きく変えることは難しいと思いますが、制度を変えなくても、一人一人の考え方を

変えることで、日本の学校現場も「幸せ」になれると感じました。

私は、来年から日本の教育現場で働き始め、職員室に「対話」を生み出し、

子どもが「明日も来たくなる学校」と教師が「生き生きと働ける学校」を一教員として作っていきたいと思いました。

 

PS.放課後の私達

f:id:hamu-cute120:20180919054450j:plain

学校の遊具で全力で遊ぶ写真①

f:id:hamu-cute120:20180919054506j:plain

学校の遊具で全力で遊ぶ写真②

フィンランドの遊具は、子どもが何度でも遊びたくなるように工夫されています。

私たちも放課後に1時間遊具で遊びました。是非フィンランドの恐怖な遊具を体験してみて欲しいです。

 

次は中学校と高等学校を訪問します!!!

 

ヘイヘイ!!!